25万キロ初交換シリーズ③ ヒーターホース

25万キロ初交換シリーズ③ ヒーターホース

25万キロ初交換シリーズ」の第三回目。

先日の“デイビーに油さし”の作業中、車体の下にもぐっていたら、いやな物を見つけてしまいました。

白くなったホース。
「ホースが劣化してクーラントがにじむとこうなる」と、日産ディーラー整備士さんが言っていたような?
つまりこれはラジエーターホースなのでしょうか?

そこで配管をたどって調べてみると、やはりそうでした。
クーラントをリヤヒーターに送る配管でした。

しかしデイビーのラジエーターホース類は、昨年12月にディーラー入院したときに危ういホースは全て交換したハズです。
どうしてこのホースは交換しなかったのでしょうか?
整備士さんの見落としか?
いやいや結構目立つ場所にあるホースです。見落とすわけがありません。
ではなぜ?

そこでいつも見ているサファリの部品図のHP “NISSAN 4U .com” で調べてみると、およそ察しが付きました。
してその理由とは?

アッセンブリーでしか部品供給されないから。

このホースを交換するには、ホース単体では部品供給されません。
ホースとそれにつながっている金属製のパイプと一体でしか部品供給されないのです。
そうなると値段は2万円弱。
作業も多少大がかりになり、工賃もかかるでしょう。
そんなわけで整備士さんが金額で遠慮したのか、交換優先度が高いホースだけ交換したのか、、、。

しかしいずれにせよこの状態で、世界に行くのは不安です。
なんとかならないものでしょうか?

でもよく見ると、ホースの両端はホースバンドで締められているだけです。
それならバンドをゆるめて、汎用ホースを使って交換できるのではないでしょうか?

でもそれではホースを外したときに、クーラントが抜けてしまいます。
クーラントは昨年12月に1万円も払ってスーパーロングライフクーラントを入れたばかりです。
「これで10万キロは無交換で行ける」と安心していたのですが、、、

ホースは換えたい、クーラントは抜きたくない、、、何かいい方法はないだろうか?
またまた一週間は考えました。

で、思いついた方法がコレ!
図で書くとこうなります。

簡単に説明すると、クランプとゴム栓でクーラントが漏れるのを最小限に防ぎながら交換するのです。
ホースの中のクーラントや、栓をする瞬間に多少漏れるのは仕方ありませんが、そのくらいの量なら許容範囲でしょう。

プロの整備士さんやヘビーDIYの間では、もしかしたら常識の方法かもしれませんが、この方法を自力で考えた自分を褒めてあげたいです!

では購入した物を紹介します。

ホースは、耐水 耐圧 耐熱 耐候の冷却水用ホース。内径12.7mm。ブリジストン製。
併せてステンレス製のホースバンドも購入。
ホースガレージ.comで購入しました。

シリコン栓。

あとは以前、PCVバルブを交換したときに買ったフックピック(左)と、近所のホムセンで買ったロックプライヤー(長さ165mmの小さい物)です。

では作業開始!

最初に、キーをONにした状態でヒーターの温度調節をCOOL側最低にします。
もしかしたらこれは意味の無い行為かもしれませんが、リヤヒーターに行く温水量を調節するバルブがもしあるのなら、温度最低にすることでバルブを閉めることになるハズで、もしも止水に失敗したときに漏れるクーラントを最小限にとどめることができるかもしれません。
最低にして10数えて、キーをOFFにしました。

新しいホースを切断。カンタンに切れます。

ちなみに切り口。

古いホースと同じ長さに2本切断。

古いホースの真ん中をロックプライヤーではさんで止水。
一応、失敗したときに再度古いホースに戻せるように、布を巻いてはさんで、ホースの傷つき防止。

片方のホースバンドをゆるめて、、、なかなかキツかった。さび固着です。

バンドがとれた!

フックピックを差し込んで、ホースとパイプの固着をはがして、、、

ここからが真剣勝負なので写真無し。

ホースをゆっくり引き抜いて、抜けた瞬間、すかさずゴム栓をする!

成功!

ホースが抜けた瞬間音も無くドバドバとクーラントが漏れてきて腕と顔にかかりますが、焦らず素早く栓しました。(本当は結構焦った)

もう片方もバンドを外して、、、(コッチはドライバーでは回らなかったのでスパナで回す)

成功!

もう一本も、同じ事をして、無事に2本取り外しました。

こうやって眺めると、なんだか血管を切って止血しているような、、、。
漫画のブラックジャックが手術中に、鉗子(かんし)で血管をはさんでいたのを思い出します・笑。

ちなみにシリコン栓は、押せば押すだけ中に入ってしまいます。
押し込みすぎて取れなくなったらタイヘンなので気をつけなければなりません。
もう一回り太い栓でも良かったかも。

外したホース。
なにしろ25万キロで初交換ですから。もう限界です。

作業に戻ります。
パイプの先端がサビています。これは想定外。
このまま放置すると、サビが進んでそこからクーラントが漏れてくるかもしれないので、、、

紙やすりでサビ取り。(最初100番の粗目で削って、240番で仕上げました)

パーツクリーナーで洗って、、

キレイになりました。

さらにパイプ先端に、念のため漏れ止めに液体ガスケットを塗っておきます。
日産純正 “フルードガスケット1218B” です。
以前、トランスファーオイルを交換したときは、グレー色の “1215” を使用しましたが、
今回はベンガラ色の “1218B” を使用しました。
こちらの方が、耐クーラント性が高いそうです。

塗って、、、

ここも真剣勝負に付き写真無し!

パイプ差し込み成功!
ガスケットが塗ってあるので、ヌル〜〜っと入ります。

この時、ホースバンドをパイプにあらかじめ通しておくことをお忘れ無く。
ぴーは案の定、確認を怠りやり直しの憂き目にあいました、、、泣。

反対側も差し込む。

ハンドを締める。

一本目完了。

二本目も同様に、、、

栓を抜いて指で塞いでいる状態。
二本目になると写真を撮る余裕も出てきます。

手術成功! 約3時間のオペでした。

漏れ出たクーラント。
受け皿外に落ちた分を合わせても、カップ一杯分には満たなかったハズ。

あとはパイプに入った空気を出す “エアー抜き” 作業。
サファリは、写真の加圧型クーラントサブタンクから行います。
(サファリのエンジンは、訳あって少々複雑な構造なのでここからエア抜き&補充しますが、普通はラジエーター上のラジエーターキャップから行います)

フタを開けると、やはり水面が下がっています。(いつもはフタギリギリの満水状態が正常量)

口の周りに、あふれ止めのクロスを巻いてエンジンを掛ける。

エンジンを掛けて口の中を覗いてみると、空気の泡がプクプクと出てきました。
その後水位が徐々に上がってきて、危ういところで慌ててエンジンストップ。

と言うか、若干あふれました。
始動からエンジンストップまで約1分。

フタしてエアー抜き完了。

抜けたクーラントは、もう一つのサブタンク(サファリにはもう一つあるんです)に入っていたクーラントで補充されたようです。
予備のクーラント買わなくて良かった!

と言うことで、祝・手術成功!と言いたいところなのですが、
じつは危ういホースがもう二本あるのです。

弱い屈曲部に白い危険信号が!

でもこのホース、内径が片方は12.7mm、もう片方が16mmと異径なのです。
これでは汎用ホースが使えません。
世界の辺境で酷使されることを想定して作られているハズのサファリですが、こんなヤヤコシイホースを使わないで欲しいものです。
もっとカンタンに修理できるような設計にできなかったのでしょうか?(と日産にもの申す、、、おそるおそる)

このホースをどうするかちょっと考えます。
異径ホースジョイント金具でつなぐという方法もありますが、金具部分で内径が細くなるので、流量が減ってヒーター熱量が減ったり、他の不都合が起きても困ります。

また、現状は壊れていないのでそこまでやらなくても、とも思います。
ゴム保護スプレー(例えばKUREのラバープロテクタント)でも吹いてゴマカスか?

旅先で、いよいよ漏れてきたら、ホースを真ん中でちょん切って曲げて縛って液漏れだけを防ぐか?(その代わり、リヤヒーターは使えなくなる)

悩ましい、、、、、、。

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