ブレーキメンテナンス キャリパー・ピストン分解

ブレーキメンテナンス キャリパー・ピストン分解

ブレーキメンテナンス パッド交換」の続き。

ロシアが入国制限になっても準備は続行です。

ブレーキメンテは、ホース、パッド、キャリパーと手が掛かります。
やってもやっても終わりません。
いよいよキャリパーを分解して、ピストンを清掃します。
ブレーキで一番肝心な部分です。

■キャリパー分解

外したキャリパー。

想像以上にひどい汚れです。
固まったドロが表面を覆っています。

ピストンの当たり面も同じです。

分解の最初は、ピストンを抜く作業です。
足踏み空気入れに付いていたこんなノズルに、、、

ビニールテープ巻いて、、、

ブレーキホースが刺さっていた穴に押し込んで、空気を送ってピストンを押し出します。

でも、一度にピストンが抜けるとキケンなので(ピストンがはじけ飛ぶらしい)、
適当な厚さの板を挟んでから空気を送ると、、、

板の厚さを徐々に薄くして、ピストンを少しずつ出します。
空気も少しずつ様子を見ながら送ります。最初から勢いよく送ると、
パーン!とピストンが飛び出してキケンです。

ピストンが抜けてきます。

最後は手で引っぱれば抜けます。

ピストンが抜けたキャリパー内部。

ブレーキオイルが若干残っている。

オイルシールリングをマイナスドライバーを差し込んで取る。

ちなみにこのドライバーは、やすりで角を削って丸くしてあります。
ブレーキメンテにとても便利です。

ゴムのダストブーツを引っぱって取る。

分解完了。

ピストンの汚れとサビ。

パーツクリーナー吹いて掃除したら、、、

若干のサビが残りました。
これくらいなら問題無いでしょう。ドライバーで軽く削って落としました。

シールリングがはまっていた溝もホジホジ掃除。

きれいになりました。
本当は、シールリングとダストブーツは新品交換したいのですが、こづかい不足により断念。
掃除して流用。(本当はNG行為かも)

ご参考に、キャリパーの内部写真公開。
(こういう写真が探しても無くて、分解するまでどうなっているの解らなくて不安だったので載せておきます)

二つのシリンダーは内部でつながっている。その真ん中にブレーキホースが刺さる穴。
ここからブレーキオイルが押し出されてくる。
オイルのエアー抜きの際に、エアーとオイルが出てくる穴。
取り付けた際に上に来る方のシリンダーに一カ所。
キャリパーの外側。
この向きで取り付けられる。エアー抜き栓が一番上にくるようになっている。
ゴムキャップ外して、ブレーキ踏んで圧をかけ、ナットを緩めるとエアーが抜ける。

■キャリパー組立

では掃除したので組み立てます。

シールリングの外側(シリンダとの当たり面)に、ラバーグリス塗って、、、

密閉性を良くするためです。

キャリパーの溝にはめ込む。

ちなみにリングを流用するときは、リングの表裏をはまっていたときと同じ向きにはめた方がいいと思います。
じつは溝の内側がわずかに斜めになっていて、リング外側が長年そこに押しつけられていたためか斜めにクセが付いているので、その通りにはめました。(おそらく新品時は表裏は無いと思います)

あとでわかるのですが、両方いっぺんにはめない方がいい。
片方全部組み立ててから、もう片方を組み立てた方がいい。
同時に組み立てると、片方の組立時にもう一方に汚れが入って、何度も拭くハメになる。

ちなみにブレーキオイルはコレ。日産純正ブレーキオイル。
なんの変哲も無い普通のオイルですが、それが良いのです。

そのオイルを指に付けて、リングとシリンダ内側に潤滑のために塗ります。

塗られたオイルがヌルヌル見えます。

ピストンにダストブーツをはめて、、、

ブーツを伸ばす。

ブーツがシリンダの溝にはまる部分にもラバーグリス。

こっちの溝にもグリス。

横から見るとこうなる。

ピストン表面にもブレーキオイル塗る。

で、ダストブーツをキャリパーの溝にはめる。
ブーツは柔らかいのでカンタンにはまります。
ただし下側もキチンと全周はめます。

ブーツを全周はめた状態。ピストンはシリンダにまだ刺さっていないので、斜めになっている。

ピストンを左右にカクカク動かしながら、徐々に差し込みます。

ピストンが少し入ったら、ダストブーツを伸ばして手前の溝にはめます。

両方はまった!

これ以上は手で押しても堅くて入らないので、ピストン戻しを使って押し込みます。

押し込み完了。

本当は、もっと押し込まないとディスクにはまりませんでした。
また押し込んだ後、ダストブーツのへりにドライバーを差し込んで、中の空気を逃してあげます。

■キャリパーピン清掃

これでキャリパーを戻せばいいかというと、それは甘いです。
キャリパーピンの清掃もしなければなりません。

これがキャリパーピン。
キャリパーをスムーズに動かすための重要な鉄の棒です。

キャリパーピンは、引っぱればカンタンに抜けます。

ピン根元のゴムブッシュも引っぱって取外し、、、

キレイにして、、、

ピンと、ブッシュの内側にラバーグリス塗って、、、

戻します。
スミコーのラバーグリスがいいカンジに効いているのを感じる瞬間。

差し込み完了!

ブッシュの中の空気も出しておきます。

これでようやくキャリパーを組み付けます。

上下のボルトをねじ込んで、、、

規定トルクで締め付け。(フロント45Nm、リヤ30Nm前後)

と順調に作業は進んだのですが、最後の左後輪を分解してみたら、
まさかのブーツ破れ。

まるで一つ目小僧のような穴。

最後の一カ所がNGでした。ガックリ。
でもピストンは、錆びてはいませんでした。不幸中の幸いです。

ちなみにブーツの部品番号も廃番で変わっていました。
44120VC225→新番号AY620NS012 です。前輪、後輪共通部品です。
これも一個注文すると二個セットです。
つまり後輪左右で一個、前輪は2ピストンなので左右で二個必要です。全輪交換なら三個必要です。

想定外はあったものの(でも気付くことができてよかったです)、ホース付けてエア抜きして作業完了。

ようやくこれでブレーキ関係のメンテが完了しました。
ホース、パッド、キャリパーしかもそれが各4カ所あるので、やってもやっても終わらない感じでした。大変でした。
最後に試走するときは、ゆっくり走ってはブレーキ踏んで、少しずつスピードあげて試しました。“おそるおそる” とはまさにこのことです。
その後は十数キロ普通に走って、ようやく完全に安心できるようになりました。
なおブレーキ鳴きは全くありませんでした。

それにしてもあれほど汚れていたのに、これまで何の不具合も無く制動できるとは、ブレーキの作りに感心しました。
きっとシンプルな構造で確実に作動するように設計されているのでしょう。
でもその安心設計に頼ること無く、定期的にメンテをして安全に乗り続けることがユーザーに課された使命かな?
メンテしていろいろなことに気付かされた良い経験でした。

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