パナールロッド ブーツ修理1
「下みちの旅 北海道」から帰ってきて、車体の下回りを掃除したら、
ステアリングのリンケージのゴムブーツが破れていた件を先日投稿しましたが、(↓)
その時は、このブーツ破れ一カ所発見しただけだったのですが(↓)、、、
それなら他のブーツはどうだろうかと点検したら、、、他にもあるある。
北海道に行く前の昨年(2021年)秋に点検したときは問題無かったのですが、
6千キロの旅で一気に劣化が進んだのか?それともとうとう寿命(もうすぐ17年)に達したのか?
じつはブーツ類は以前から気になっていて、ラバープロテクタントを吹いたり、自己融着テープ巻いて延命してきたのですが、やはり世界旅に出発する前には交換した方がいいかなあと思ってはいたのです。
いずれにせよブーツ破れは車検に通らないので、今回思い切って、
全交換する事にしました。
交換するブーツは、
○後輪 パナールロッド
○前輪 パナールロッド
ドラグリンク
ステアリングダンパー
タイロッド
の予定です。全部で10個前後あると思います。
それでは作業開始!
最初はパナールロッドのブーツです。
パナールロッドとは、ラテラルロッドとも言うそうです。
車のフレームから上と、サスペンションから下の部分が、横方向にズレないようにするための棒です。(詳しい事は知りません・笑)
前輪、後輪に一本ずつ。合計2本あります。
後輪側の写真で見るとこの棒です。
(以下、作業は両輪同じ事をしたので、後輪側で説明します)
ちなみに北海道弁では棒のことを “ボッコ” と言います。
たぶん今も普通にみんな言っているのではないでしょうか?
ぴーは18になって東京に出てきたある日、バイトの現場で社員の人が「何か棒持ってきて!」と言ったので探していたら、横にいたバイト君が「そのボッコがいいんじゃネ?」と言ったのです。
ところがそれを聞いた他のバイト君が、「おまえ今の “ボッコ” って何だよ?その言葉オカシイよ」と言って、ゲラゲラ大笑いしたのです。
その時ぴーは初めて “ボッコ” が方言だと言う事を知りました。内心 “ボッコ” って言わなくてよかったと思いました。それ以来三十数年、決して “ボッコ” とは言わないように生きてきました。
で、このボッコ、、、じゃなくて棒は、(←おやくそく)
両側がボルト固定されていて、ボルトの周囲にゴムダンパーが入っていて、それを保護するゴムブーツが右側(進行方向右側)にだけ付いています。
ここの部分です。
横から見るとブーツが見える。
ところが2個ともひび割れ。
では取外します。
サスペンション関係の作業は、太いボルトが多いので力勝負です。
そこで力技系の道具、全員集合!
まずは輪留め。
ナットをゆるめる前に、ネジ山掃除して噛み込み防止。
ブラシで取り切れない汚れを、精密ドライバーで掻き落とす。
ところでぴーが車整備をしている中で、一番出番が多いのは、多分この精密ドライバーです。
小ネジを回すと言うよりは、このように引っ掻いたり、細かいところを押したり、起こしたり、割れ目を広げたり、端子を突いたり、刺したり、ゴミ取ったり、ピン抜いたり、、、何かにつけて使います。
今日は使わないだろうと思っていても必ず使います。
この日も力技だけだと思っていたのですが早速使いました。無くてはならない工具です。
ちなみにぴーが使っているのは、ホーザンのドライバーセット。
ドライバー自体はもちろん優秀で多少力を入れても曲がったり、ねじれたりしませんが、
なによりこの布ケースが良いです。
よくあるプラケースのヤツは、中でドライバーが転がってフタが閉まらなくなったり、
ガチャガチャ音がうるさいですが、
これはケースのベルトに刺すだけ。とても使いやすいです。
唯一の難点は、ケースに穴があいてドライバーの先が出てくる事。
でも落ちたりはしません。
たためば薄くなり工具箱のすき間にも入れやすく、他の道具とぶつかっても音がしません。
まともな精密ドライバーです。オススメです。
話しを作業に戻します。
キレイになったボルトにCRC556をスプレーして浸透させて、、、
22mmのメガネレンチでゆるむかな?
次なるは600mmのブレーカーバー登場。
そこで1mのエクステンションバーで後ろに引き出して全体重かけてみるも、、、ダメ。
しかもソケットが抜けなくなる。
かくなる上は、火あぶりにして、、、
ブレーカーバーを1mのパイプで延長。
ようやく取れました。
あとはボルトを引き抜くだけ。
抜けたボルト。白い粉と若干のサビ。再使用決定!
紛失しないように、一旦戻しておきます。
続いて左側も、同様に掃除して556浸透。
エクステンションバー+ブレーカーバーで外れました。
外れたロッドのチェック。
右側のブッシュ。
汚くてよく見えないのでブラシ掛けたら、、、
見えてきました。
まずはヒビ、、、
だと思っていたら、既に穴開いてました。
でも幸いにも、中はサビてはいませんでした。
ゴムブッシュにしては、よく動くなあ、、、
変だなあと思ってブーツをめくってみると、、、
写真では見えませんが、中はグリスにまみれた金属の球になっていました。
金属球が動くようになっているのですね。後で調べたら、ピロボールというそうです。
ゴムブッシュではないのですね。だからよく動くのです。
でもそうなると、それを保護しているブーツが破れると、ピロボールがサビるので、何としてでもブーツは交換しなくては、、、。
ちなみにボルト穴の中は、若干のサビ。でもこすれば取れる程度です。
反対の左側。
こちらは、ただのゴムブッシュでした。まだ使えそうです。
ところで日産からは、この左右のピロボールとゴムブッシュは、単体では部品供給されていません。
ロッドと一体販売です。一本2万弱。
でもブーツが破れただけなのに、そんな金払えません。
ブーツ破れただけで、全部交換なんて今の時代にエコじゃないです。
これはつまりディーラーでは、面倒なブッシュ交換作業は行わないという方針からくるのでしょう。
ところがよく見ると、なにやら部品番号が書かれてあります。
右のピロボールには、、、
左のブッシュは、
部品番号は、前後ロッドとも同じです。
でもたとえ購入しても、交換作業にはプレスマシンで押し出して、圧入しなければならないので、ぴーにはできません。
最近思うのは、
退職前にプレスマシンを買っとけばよかった、、、
と言う事です。
プレスが無いと、手も足も出ない作業が車整備には存在します。
例えばこのブッシュ交換やハブベアリング交換です。
2〜3万なんですけどね。
あと買っとけばよかったと思う道具は、インパクトレンチ。
でもこれは、今まで何度か「あればいいのに」と思った事がありますが、
結局無くても工夫や力技で乗り切る事ができました。
でもプレスだけは無いとどうしようもありません。
その内、H鋼と寸切りボルトで自作しようかな、、、。
ちなみに車体の方のピロボール取付部分の内側。
サビも無く、汚れも無くきれいな状態でした。ピロボールでふさがれていたからでしょう。
清掃作業
ピロボールとブッシュは交換しない(と言うか出来ない)と言う作業方針が決まったので、流用するために、まずは清掃から。
ピロボールの中の古いグリスをドライバーでかき出します。
さらにパーツクリーナで洗い流します。
こんなに出ました。
乾燥中。
新しいグリスを給脂する方法ですが、
グリスガンのノズルに、適当な太さの熱収縮チューブを被せて、、、
ガスコンロであぶって先端を細くする。
ノズルにかぶせた部分もあぶって密着させます。
それをグリスガンに装着して、、、
ブーツのすき間から刺し込んでグリス注入。
少し注入したら、割り箸刺し込んでボールにグリスを密着させたり、
ボールをあらゆる方向にグリグリ動かしてグリスを馴染ませる。
そしてさらに注入して、、、それを数回繰り返すと、注入前はカクカクしていた感触が、ジワーと動くようになってきます。いいカンジです。
ちなみに使用したグリスはコレ。信頼しています。
ブーツに付いたグリスをクリーナーでキレイにしたら、、、
ブーツサイズを計ったりして、どのように修理するかを考えます。
ちなみにブーツだけ外すのはムリそうです。ムリに外して壊したり、戻らなくなると困るので、そっとしておきます。またブーツだけの販売もしていないと思います。汎用ブーツもサイズが合うのが見当たりません、、、2、3日考えました。
で、思いついた方法がコレ!
なっ、なんじゃコリャ! ナメとんのか?
果たしてボッコは直るのか?
【つづく】
ぴーぱー夫婦の だんなのぴー:車担当。
四駆、旅、登山、星、温泉、お遍路、DIY、野菜づくり、マグロ好きの50代。別名マグロよしのり。2020年3月退職。
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