世界へ!最終整備11 前輪バンプストッパー交換

世界へ!最終整備11  前輪バンプストッパー交換

この作業はかなり危険です。
ぴーよしが今回行った方法も、怪我する可能性があります。
真似をしないでください。何かあっても自己責任でお願いします。

バンプストッパーとは、悪路などでタイヤが強く突き上げられた時に、
サスペンションが可動範囲を超えて壊れたり、タイヤがタイヤハウスに当たって傷ついたりするのを防ぐ、大きなゴムのブッシュです。

ところがデイビーの左前輪のバンプストッパーは、2、3年前から、ブッシュの先端が千切れて無くなっているのです。経年劣化です。
でも日本国内で舗装路を走っている分には、サスが限界を越えて突き上げられることはまず無いので、

「そのうち直そう」

と思いながら放置していたのです。
でもタイやマレーシアの舗装路で、ぽっかり空いた穴がそこら中にあるのを見てくると、
やはりワールドツアーに行く前には、キチンと直しておかねばと改めて思った次第です。

で、これがデイビーのバンプストッパーです。

コイルスプリングの中にあります。
バネが縮むと下に当たってそれ以上縮むのを防ぐ仕組みです。
ちなみにこの作業時は、ハブメンテ作業中だったので、ハブとブレーキディスクが外れているので作業がやりやすかったです。ディスクが付いたままやるのは、難しいかもしれません。

でも先端が千切れて欠落しています。

白いのは、千切れた先端を接着しようとしたコーキング。涙ぐましい努力でした。

では作業開始。

千切れたストッパーを取り外して交換します。

ストッパーの上のフタを固定している2本のボルトを外せば、、、

ストッパーがフタに付いてくるのかと思ったのですが、甘かった。

ストッパーは、その下の鉄板にボルト留めされていました。

この鉄板はフレームに溶接されているので外せません。
そうなるとコイルスプリングを縮めて外さないと、ストッパーを取り出せません。

これはオオゴトになるかも、、、

一瞬、やめようかと思いましたが、アフリカの悪路を走るために、ここは固い決意で交換することにします。

ちなみに、外したフタの裏側には、分厚い鉄の塊が付いていて、サスの突き上げを受け止めるようになっていました。

頑丈そのもの。ズッシリ重い。
このフタ付けなければ両輪で数キロの軽量化が出来ます、、、やらんけど・笑。

まずは見るからにサビで固着してそうなストッパー固定ボルトに556を吹いて、、、

ゆるめる。

ウォーターレンチでストッパーが供回りしないように押さえながらゆるめる。

何とか外れました。

外れたストッパー。

ストッパーは、この様に先に外しておかないと、バネを外す時にこれが引っかかって外せません。

ショックアブソーバーの上のナットも外して、、、

外れた。

ショックを手で縮めておきます。
これでショックの可動範囲を超えて車体を持ち上げることが可能になります。

バネを外すには、何らかの方法でバネを縮める必要があります。
世の中には、スプリングコンプレッサーと言う道具も売っていますが、出来れば購入せずにすませたいところ。

まずはタイダウンでやってみましたが、

ダメです。上手くいきません。危険です。
タイダウンの金具が大きすぎて、ハの字の位置にしか付けられなくて、バネが斜めに縮んでしまい、
さらに締めるとある瞬間ベルトが、ガチャ!と横にずれて、危うく手を挟んで大けがするところでした・冷汗。

次なる方法は、、、しばらく考えて、ホムセン行って材料を買ってきました。

角座金。M16寸切ボルトとナット・ワッシャ。M8ボルト・ナット。

これらを多少加工して、、、

出来上がり。

サスやフレームに当たる部分は、多少削りました。

寸切りボルトとナットには、かなりの力が掛かるので、グリス塗る。

と思ったのですが、実際にやってみると、それ程の力が掛かるほど締め付けることはしませんでした。そんなこと恐くて出来ませんでした・笑。

取り付ける。

外れ防止、横ずれ防止のM8ボルトナット。

コレをしっかり締めます。

さらに横ずれ防止にホースクランプ付ける。

コレ付けたら、多少安心できるようになった。

コイル下端と車体側が擦れる部分にも、外れやすくするために、スプレーグリス。

バネを縮めます。

左右のボルトのナットを、交互に数ミリずつ上へ上げて、バネを縮めていきます。

多少縮みました。コワイのでこのくらいでやめておきます。

ちなみに作業中は、バネの間や、バネと車体の間に手を入れるのは厳禁です。突然金具が外れて挟まれるかもしれません。保護手袋必須。

あとは、ジャッキで車体を持ち上げて取り外します。
コイルコンプレッサーは、「バネを縮めると言うよりも、これ以上バネが延びないようにするための道具」と考えましょう。

リーディングアームの根元と、、、

前バンパーの牽引フックにジャッキ。
二つのジャッキで交互にバネ上の車体を持ち上げます。ちなみにバネ下は馬に乗っています。

車体が持ち上がるに連れて、コイルが車体から離れてきます。

たまにハンマーで軽く叩いて、引っかかりを解除します。

あと少し、、、

この頃には、バネはもうグラグラ動きます。

まずバネ上のゴムパッキンが取れました。

バネとれた!

バネは上から外します。下から外そうとすると、さらにジャッキアップが必要で危険です。
戻すときのために、バネをどの向きでどのように外したかを覚えておきます。←コレ重要。

これがバネと、壊れたバンプストッパー。

バンプストッパー新旧比較。

ちなみに部品番号。左右同じです。

新の、このゴムキャップをむしり取ると、、、

取り付けねじが現れます。

組み立てます。

ゴムパッキンを、バネの上に重ねて、、、

パッキンには段差があるので、ここをバネの鉄線の端に合わせます。車体側にも段差があるので、そこに合わせます。見れば解ります。

車体に戻す。

外したときと同じ向き、角度で入れないと入りません。新しいパンプストッパーも忘れずにスプリングの中に入れておきます。

車体とゴムパッキングとバネの上端の位置が合っているかを確認したら、
徐々にジャッキとコンプレッサーのナットをゆるめていきます。
どれか一つを一気にゆるめると、外れるかもしれないので、交互に少しずつゆるめます。

ジャッキを降ろして、コンプレッサーを外したらもう安全。
新バンプストッパーを固定します。

供回りを防ぎながら締める。規定トルク17〜23N/m。

フタは若干サビていたので、グリス塗って、、、

戻す。
ショックアブソーバーも戻して終わり。

これでアフリカの超悪路もどんと来い!、、、かな?

Translate »