スローブローヒューズ メンテ
以前の投稿で、デイビーのブレードヒューズを交換した件を紹介しましたが(↓)、
今回は、その時やり残したスローブローヒューズをチェックします。
そう思い立ったのは、
毎回書いているエアバッグ警告灯が点滅する不具合の原因が、
エアバッグに供給される電圧が低いからではないか?と疑ったからです。
でもブレードヒューズは全部交換済みです。そうなると電源のもっと大本にあるスローブローヒューズが疑われます。
はたして結果はいかに、、、
で、これがスローブローヒューズです。
スローブローヒューズとは何かと言うと、
ヒューズは、何かの機器の故障やショートで過大電流が流れた時に安全のために断線する装置です。
しかし過大電流が流れてから断線するまでの時間には、瞬時に切れるラピッドタイプと、数秒後に切れるスローブロータイプがあるのです。
例えばモーターのように、起動時に一時的に大電流が流れ(起動電力と言います)、回転が一定になると定格電流に落ち着くような部品にラピッドタイプを使うと、スイッチ入れた瞬間に毎回ヒューズが切れてしまいます。
そこで数秒間なら大電流が流れても切れないスロータイプが必要になるのです。
車にもセルモーターを始め多くのモーターが使われていますし、それ以外にも起動時に大電流が流れる部品があるのかもしれません。
またスローブローヒューズは大電流を流せるので、各ブレードヒューズの大本のヒューズとしても使われるようです。
実際エアバッグに供給される電力も、
バッテリー→スローブローヒューズ→ブレードヒューズ→エアバッグ
と言う順で流れています。(車によっては違うかも)
もしもスローブローヒューズに何か問題があれば、エアバッグに流れる電流が減ったり、電圧が降下するかもしれません。
今回は、バッテリー電圧とエアバッグへの供給電圧を比べて、大きな差が無いかチェックします。
では電圧測定します。
■まずエンジンOFF時
まずバッテリー電圧計って、、
次にハンドル下のエアバッグヒューズ抜いて、テスター端子差し込んで、エアバッグへの供給電圧を計る。
測定時はキーONにしないと計れません。
結果は、
バッテリー電圧11.99V − 供給電圧11.91V = 0.08V下がった
つまりスローブローヒューズと途中の配線により、電圧が0.08V下がったと言うことです。
この降下は大きいのか小さいのか?
太平洋精工HPによれば、ヒューズによる電圧降下は0.1V程度と書いてあるので問題ないレベルでしょう。
■続いてエンジンON時は、
バッテリー14.05V − 供給電圧13.76V = 0.29V下がった
エンジン掛けたときの方が、電圧降下幅が大きいのですね。
この原因はよく分かりませんが、エンジン掛けると他の回路に電力を奪われるので下がるのかもしれません。
でもこの0.29Vが、正常なのか異常なのかも、やはり分かりません。
(ちなみにアクセルあおっても、電圧はほとんど変わりません。安定していました)
そこでスローブローヒューズの状態をチェックします。
■まずヒューズボックスのフタの取り方
これが結構難しいです。
以前の投稿でも取り方を紹介しましたが、もう少し簡単な方法を見つけたので改めて紹介します。
フタは左右二つのツメではまっているので、順番に外すのですが、
最初はコッチ側にフタを押しつけるとツメが外れるので、、、
フタが少し持ち上がります。
次に反対側に押しつける。
外れます。
まずどのスローブローヒューズがエアバッグにつながっているかというと、このヒューズでした。
イグニッションスイッチのヒューズらしいです。
外して抵抗チェック、、、0オーム問題なし。
ヒューズのフタ外して、、、
内部チェック、、、問題なし。
でも端子を見たら、、、若干の汚れ。
車両側端子も、、、汚れ。
これが電圧降下の原因か?
そこで端子を掃除します。
きれいになりました。
ついでに他のヒューズも全部端子清掃しました。どれも同じような汚れ具合でした。
もっと大きいヒューズもチェック。
50Aヒューズ。
あっ、サビてる。
80Aも同様サビ。
残るは120Aヒューズ。
このラスボス(笑)は、端子がボルト止めされています。
そこでバッテリーのマイナス端子を外します。
ところがドライバーがボルトにアクセスできない。
反対側も柄がつかえて入らない。
そこでこう言うドライバーで回したら、、、
一発でなめました。
でもラチェットのソケットも入りません。
日産さ〜ん、、、
考えてないよね? 明らかに。
鉄板にはサービスホール開けといて欲しかったし、プラスチックケースの穴は、もう少し幅広にしてくれなきゃ、、、試してないんじゃない?言いたかないけど。
しょうが無いのでヒューズケースを外すことにします。
ケースは4つのツメで固定されています。
各ツメにドライバー差し込んで外す。
なんとか外れる。
あとはケースを揺すって少しずつ持ち上げて、ようやく10mmソケットレンチで緩めました。
ネジ取れる。
ところが!!
反対側のネジはナンと、
8mmのソケットでした。
それにしても、同じヒューズの片方が10mm、もう片方が8mmで締まってるってどういうこと? こんなのアリ?
おそらく日産もこの箇所の整備性の悪さに気づき、多少でも改善しようと一番コストが掛からない方法で小細工したのかな?8mmソケットならプラスチックケースの穴につかえず入るかもって。でも実際にはそれでも入らない。
ディープソケットや、肉薄の高級ソケットなら入るのか? ネプロスとか。そんなのアフリカにあるハズ無い。
またここは車の全電流が通るヒューズです(たぶん)。安易にボルト径を細くして良いのでしょうか?
ちなみにこの後、上の写真のソケットをウォータープライヤで横から挟んでようやく回しました。
ふ〜取れた。
端子の汚れ状況。
掃除の結果、電圧は上がったか?
変わりませんでした。
端子汚れぐらいでは電圧降下はしないのですね。
なのでエアバッグ警告灯の原因は、スローブローヒューズでもありません。(たぶん)
今回は、日産さんには少々苦言申し上げましたが、
より良い車づくりの参考にしていただければと思います。ヨロピク・笑。
ぴーぱー夫婦の だんなのぴー:車担当。
四駆、旅、登山、星、温泉、お遍路、DIY、野菜づくり、マグロ好きの50代。別名マグロよしのり。2020年3月退職。
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なかなかマニアックな作業をされていますね。笑
電気は目に見えないからハマると厄介ですよね。エアバッグのリコールは実施されましたか?
サファリy61、ランクル100あたりが欲しいですが軒並み値上がりしてますね。
しかも余裕の13年超・・・サファリy61は球数が少なすぎて選択肢が少ないですね。
燃料メーターの修理は見事でしたね。割に合わない作業ですねあれだけ大変だと。笑
エアバッグリコールはもちろん2回受けていますので、それが原因ではないと思います。記事にはしていませんが、他にもリレーのスイッチング抵抗を疑ったり、シートベルトバックルの接点を掃除したり、あらゆる事をやったつもりです。
それでも直らないとなると、これはやはりエアバッグコンピュータの回路のなかのある素子が性能劣化しているのではないかと、、、でもさすがにこれは素人では見つけられないのでお手上げです。以前は気温が10℃を下回ると発生していたのですが、最近は15℃くらいで発生するようになりました。悪化しています。困りものです。頭痛いです。