世界へ!最終整備1 前輪ハブメンテ〜特殊工具作り

世界へ!最終整備1  前輪ハブメンテ〜特殊工具作り

世界ドライブ旅に向けて、デイビーの最終整備を開始します!

まずは前輪ハブのメンテナンスです。
これは19年28万キロのデイビーにとって、やらずに出発する訳に行かない重要作業です。

なにしろ車は、四つの車軸を回転させて走っている訳ですが、その車軸は、

ベアリングで回転しています。

なので今回、ベアリングが入っているハブを分解して、ベアリングの様子をチェックして、
NGなら交換。問題無ければ清掃して、ベアリングを潤滑しているグリスを交換します。
コレをやらずに、この先10万、20万キロ走るのは、おそらくムリだと思うのです。
だから重要なのです。

ハブはタイヤの中心にあります。
ハブに付いているフリーホイールハブを外すと、、、

6本のボルトをゆるめると外れます。

フリーホイールハブの取外しについては、↓の記事参照。

そうするとゆるみ止めワッシャが現れるので、2本の固定ネジを外して、ワッシャを取り去ると、、、

ハブベアリングを締めつけているハブナットが現れます。

しかしここからが問題です。

ハブナットは、規定トルク3〜5N・mの極弱いトルクで締められているので、
ゆるめるには、二つの穴のどちらかにドライバーでも差し込んで回せば、カンタンに回して外すことが出来ます。

ところが組立時には、このナットを一旦167〜196N・mと言う、非常に強いトルクで締めてから、一度ゆるめて、改めて3〜5N・mで締め直すという作業が発生するのです。これはベアリングの調芯と言って、ベアリングと車軸の中心を一致させるための作業です。

つまりナットを強烈な力で締める工具が必要なのです。

ところがナット形状が特殊なので、手持ちの工具では締められません。
ナットの二つの穴に何か差し込んで回す工具が必要なのです。

で、これを締める特殊工具(スペシャルサービスツール。略してSST)が売っていますので購入しました。
4千円くらいです。

ツメが4本なので邪魔な2本は、グラインダーで削ってから使おうと思っていました。

ところがいざハブにあてがってみると、
車軸が内部でつかえて、ツメが穴に届きませんでした。まさか使えないとは・泣。

他のSSTも売っていますが、もっと高いです。どれも数千円〜数万円します。
一生に一度しか使わない工具にそんな金払えません。
(例えば↓7千円。まだ安い方ですが、デイビーに使えるかどうか確証が無い)


じゃあ、、、と言うことで、

作ることにしました。

でも上手く作れるかな?不安。

■SST1号

ホムセンで材料を買ってきました。
一個100円しませんでした。

線引いて、、、

穴開けて、、、

ヤスリで広げて、、、

1/2ラチェットが差し込めるようにする。

同じ物を3枚作って、、、

手作業で鉄を加工するのは、かなり大変です。

3枚重ねて合体。M8ボルトをツメにします。

ボルト先端は、ハブナットの穴に入るようにヤスリで削って細くする。

で、試してみたら、、、

ぐにゃりと曲がった。あっさり曲がった。40N・mで曲がった。強度不足。失敗。

何個も付けたナットは、ボルトの補強用。これを付けないと、ボルトが約20N・m程度で先に曲がります。普通のボルトが弱い事も勉強しました。

■SST2号

どうやって作るか2週間考えました。その結果、、、

まずパソコンで実寸大の設計図を書く。

材料は、外形75mm、厚さ6mmのワッシャ。モノタロウで購入。@400円×3枚。

ワッシャに設計図を貼り付けて、必要な穴を開ける。

こうなる。

さらに中心の穴を広げる。

仕上げは手作業。かなりシビレル作業です。

何とか三枚作る。

一日一枚作るのが精一杯でした。それにしてもホレボレする出来。何時までも眺めていたい・笑。

それをボルトで合体。

ボルトは強度10.9の高張力ボルト。モノタロウで購入。コレコレ
ナットはステンレスナット使用。これなら曲がらないかな?
もし千年後の人がこれを見たら、何のための物なのか解らないだろうな。オーパーツ間違い無し・笑。

ハブナットの穴に入るようにヤスリで微調整。

ボルトの位置が1mm程度ずれてしまい、ハブナットの穴に入らなかったのです。DIY加工の精度の限界です。まあよくある事です。

さっそく試してみます。

SSTをハブナットに差し込んで、、、

ピッタリ。ツメも穴に刺さっています。

その上に最初に買ったハブレンチを、、、

差し込む。四つの穴に、ツメが入ります。

ピッタシ。

トルクレンチ付けて締め込みます。
40、80,120N・m、、、、徐々に強く締め込む。

175N・mまで締め込むことが出来ました!

成功です!
規定トルクは167〜196N・mなので、175で締められれば一応OK。
これ以上やってSSTを壊したくないので、これでヨシ!とします。

道具は揃った。これで取りかかれます!

つづく

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