ステアリング ゴムブーツ交換2

ステアリング ゴムブーツ交換2

ステアリング ゴムブーツ交換1」のつづき

それではゴムブーツを交換します。
各リンケージの両端には、このようなゴムブーツが付いていて、可動部を保護しています。

もちろん日産からはゴムブーツ単体では売られていません。リンケージ棒と一体販売です。
一本2万円前後ですから、前後輪5本買ったら10万になります。
この金額は古い車なら、

車、買い換えようかな、、、

と思いかねない額です。
実際、車齢17年のデイビーの場合、最近の修理やこの先の車検を、
もしも全部ディーラーでやっていたら、

メーター10万+エアバッグ10万+ブーツ10万+車検15万+自動車税13万=58万。

DYI修理と1ナンバー化、ユーザー車検をしていなければ、買い換えたかもしれません。
(実際に掛かった金額は、メーター0万+エアバッグ0.3万(但しまだ直ってません)+ブーツ0.2万+車検4万+自動車税1万=5.5万です)

でもこんなに修理費が掛かるようになったと言う事は、“日本の常識” で言えば、この車がすでに買い換え時期を迎えたことを意味しているのかもしれません。
でも “世界の常識” で言えば、デイビーは、

まだまだ極上車だと思います。

だってエンジンオイルの減りが多少早い以外はすこぶる快調だから。
なので、

まだまだ乗るのだ!

話を戻します。
ロッドは一本2万もしますが、
ゴムブーツを見ると、なにやら製造元と部品番号らしき文字が、、、。

これはステアリングダンパー。NOK ER0008M1とあります。
タイロッドエンドブーツとドラグリンク。NOK ER0630M0。

調べてみると、NOK(エヌオーケー株式会社)は、
自動車用オイルシールの国内シェア70%の日本の大手サプライヤーでした。
でも部品番号を調べてみてもERで始まる製品郡が見つからないので、同じ物を買うのは断念。

でも大丈夫。
車のゴムブーツは、汎用品がサイズ豊富に売られています。
例えば大野ゴム工業のコチラのページで同じサイズの汎用ブーツの型番を調べて、monotaroのコチラのページで買えばいいのです。
そうすれば一個約300円×6個です。10万円もしたのが1800円ですむのです。
本当に助かります。

ではブーツを取り外します。

デイビーのブーツは、ブーツの根元を金属のリングバネで締め付ける “バンド式” でした。
(バンド式以外に、キツキツに作られたブーツを押し込んではめる “カシメ式” があります)

このバンドを外す方法ですが、YouTubeを視ると、ワイヤーやインシュロックで輪を作ってバンドを引っ張って回し取る方法がよく紹介されています。でもそんな都合よく家にワイヤーがあるわけなく、インシュロックも一旦輪にしたら他に使えなくなるからもったいなくて、、、でも要するに何でもいいから輪で引っ張ればいいわけですよね。

そこでぴーが家の中から見つけたのは、、、Wクリップ。

それをバンドに通して、、、

グルッと回せば、、、

ほらこの通り。外れました

カンタンです。ゼンゼン難しくありません。
Wクリップじゃなくても、金属の輪でも、針金でも、何でもいいと思います。

あとはブーツを引っ張ればこの通り。

内部には真っ黒に汚れたグリス。
グリスが黒い場合、もともと黒いモリブデングリスが使われていた可能性もありますが、今回は正確には濃い茶色だったので、モリブデンではなくリチウムグリス等が汚れたのだと思います。

実際ステダンは、それ程汚れていなくて、クリーム色でした。

ではブーツのサイズを測ります。
ブーツサイズは、上部内径、下部内径、高さの三つで表します。

上部内径
下部内径は、ロッド側の外径を測った方が正確に測れます。リングがはまるくびれた所の直径です。
高さはココですが、長年使用したブーツはつぶれているので、元の高さを見当つけます。
近いサイズのが幾つかあるので発注には勇気が要ります。

で購入しました!

何種類も買ったように見えますが2種類です。
 ■ステアリングダンパー DC-2640×2個
 ■タイロッドとドラグリンク DC-1305×4個
結果から先に書きますと、サイズはこれでバッチリでした。

左がステダン用のDC-2640。右がそれ以外のDC-1305

ブーツ取付

まず古いグリスを拭き取ります。

ボールジョイントをグリグリ動かして、ボールの下のグリスも可能な限り拭き取る。

これ以上動かしても、グリスが出てこなくなりました。

今回使うグリスはコレ。

ボールの根元にグリス塗って、、、

てんこ盛り。

そしたらボールをあらゆる方向に動かすと、グリスがボールの下に入って少し減る→さらにグリス盛る→動かす。
これを3回くらい繰り返すと、もうこれ以上グリスが減らなくなり、動かす感触もカクカクからジワ〜といいカンジになります。

前後左右に動かし中。

最後にもう一度盛って、ブーツ内側にもある程度グリス入れて、、、

ブーツを被せる。

クニュクニュすれば入ります。

で、次にリングをはめるのですが、これが結構難しい。
Wクリップを外すときと逆に動かしてはめる方法は、リングが大きい場合は何とか可能です。

でも、古いブーツで何回か練習してからでないとムリです。ちなみに失敗してリングがブーツに刺さって穴が開く心配は、ブーツが厚いのでまず無いでしょう。

無事はまったら、、、

上から押して中の空気を出しておきます。

そうしないと車に取り付けたときに、パンパンに膨らんでしまいます。
その内すき間から抜けるだろうと思っていても、なかなか抜けないものです。

でも、リング直径が小さいステダンのリングは、Wクリップではリングが堅くてはめられませんでした。
で、いろいろ試行錯誤の結果たどり着いた方法は、、、

リングの両端をペンチで挟んで持つ→リングを外側へ開く→ブーツ直径と同じくらいに開く→リングをブーツ根元に持って行きそっと締めて離す。

かなり開かないとブーツの太いところを通りませんが、勇気を持って開きます。
ぴーは、バイスプライヤとウォーターレンチで挟みましたが、挟んで保持し続けるのに力が必要なので、バイスプライヤ2本で挟めば楽だと思います。

この方法ならリングの大小に関係無く安定した作業が行えると思います。オススメ。

ひ〜全部はまった。

試行錯誤の作業は疲れます。

一息ついたら、ロッドに付いたグリスを脱脂。

シャーシブラック塗装。

車に取り付けてからだと塗りにくいので、先に塗るのがベター。

乾燥中。

写真には、バー以外の小部品も一緒に写っています。

乾いたらブーツにラバープロテクタント吹く。

どうか長持ちして下さい・祈。

車に取り付けます。

まずネジを掃除。ブラシ掛けて、、、

パーツクリーナー。

テーパーシャフトに薄くグリス塗って次回の固着防止。
まあこのブーツに穴が開くまでは、デイビーに乗っていないと思いますが、、、。

さらにネジ固着防止のグリスも塗ってロッド側は準備完了!

車側も、穴掃除して、、、

パーツクリーナー

穴内側とブーツが当たる部分に薄くグリス。

ロッドを取り付ける。

バッチリ!

タイロッドエンドは、規定値59〜74Nm。

割ピン掃除して、、、

使い回す。

元と同じように曲げました。

ブレ、ゴメン!

パナールロッドの右側(進行方向右側)のボルトは、外したときと同じようにジャッキアップして、、、

通して、、、

仮締め。

左側は、案の定ボルトが穴の中心に来ないので、、、

さらに少しジャッキアップしたら無事入りました。

等々やって、全部戻して仮締めする。

次は本締めなのですが、ボール側が供回りして締め込めません。

そんな時は、「ボール側を車体側に手で押しつけて供回りを防ぐ」らしいのですが非力なので止まりません。
そこでCクランプで挟んで押しつけながら本締めしました。

ドラグリンク両側も、規定値59〜74Nm。

ステダンの両側は、16〜22Nm。

パナールロッド右側は、157〜186Nm。

パナールロッド左側は、タイヤ付けて地面に降ろしてから本締めします。
そうしないとブッシュがねじれてしまいます。

ところがいざ締めようと思ったら、ドラグリンクがジャマしてトルクレンチが入らない。
ここに来て最大のピンチ!

ドラグリンク外せばいいのですが、本締めしたのでもう一度外すのはメンドクサイ。

エクステンションバー付けたら、何とか回せそう。

でも完全にはナットにはまっていないので、、、

規定値127〜167Nmなのですが、120Nmまで締めたところで、

ナットが舐めました。

しょうがないので、あとはブレーカーバーならなんとか入ったので、すこし増し締めしていい事にしました。

完成!

ホレボレします。ずっと眺めていたい、、、しませんけど・笑。

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