モーリタニア3~スタック ダメかも

モーリタニア3~スタック ダメかも

昨夜は心配で一睡もできませんでした。
どうやって出そう。あんな方法、こんな方法。でも出なかったらどうしよう。いろいろなことが頭の中でグルグル回って離れません。

薄明るくなった6時起床。作業開始!

ビスケット食べたら即作業開始しました。
まず周辺を二人で歩いて、木の枝や岩など使えそうなものを集めます。でも完全な砂漠なので大した物は集まりません。
それからスペアタイヤ、携行缶など重いものを降ろして脱出しやすいように軽量化。

続いて車体下の砂を全部掻き出します。道具はスコップと小さなシャベルのみ。

車の底は全て砂がつかえています。これを出さないとトラクションが掛かりません。

出しても出しても、横から砂がサラサラと崩れてきてすぐに埋まってしまいます。砂が崩れても車体の下に入らないように、車の周囲を一回り広く掘り下げないと。でも限られた体力でそこまで掘るのは無理。成果の出ない苦しい作業が続きます。

車載ジャッキで最も埋まっている左後輪の車軸を持ち上げて、持ち上がったタイヤの下に砂が入って5cm程持ち上げることができました。あまり変わったようには見えませんが↓。
横から吹き付ける砂混じりの風が辛い。涼しい午前中になんとか脱出したい。

こう言う場面では、やはりハイリフトジャッキじゃないと、、、。車載ジャッキがあまりにも非力に見えます。

ジャッキを車軸にかましている↓。

それでも前後左右から下に潜って砂を掻き出して、タイヤの下に岩や木の枝差し込んで、3時間かかってこうなりました。

これで脱出できるか!?

こう言う場合、ゆっくり出た方がいいのか?それとも一気にアクセル踏んで勢いつけた方がいいのか?判断がつきません。アラーの神に祈る気持ちでアクセル踏みます。

やはりスタックボードがあったらなあ、、、

結局中途半端な踏み込みになってしまったせいでしょうか?3m動いただけで再びスタック。ここまでの作業が全てムダに・泣。
泣きたくなるのを堪えて、「冷静に冷静に、、」と自分に言い聞かせながら、もう一度2時間かけて同じ作業を繰り返す。ぱーも本気出して作業。でも結果は1m動いただけ。

時刻は早くも午後1時半。砂漠の太陽がジリジリと。砂も熱くなり、体力気力の限界。熱中症直前。

自力脱出は無理と判断。

コールマンのミニテーブルにテープでHELPの文字とイラストを書きました。

これを持って、ぴーよしが幹線道の路肩まで歩いて戻ってヒッチハイクの様に掲げて立ちます。ターゲットはランクル70、またはウニモグのオーバーランダー車。または軍の全輪駆動トラック。

でも都合よくそんなのが来るわけもなく、ラクダを載せたハイラックスなど何台かやり過ごしました。
30分くらい経ったでしょうか、ランクル200が来るのが見えたので、ボードを上に掲げてアピール!ところが近づいてきた車を改めて見たらまさかのプラド。ランクルとハイラックスとプラドは顔が似てるので遠目には区別が付きにくいのです。

プラドじゃ少々役不足かな、、、。

止まってくれたプラドには、地元の若者4人が乗っていました。ところがこの四人組がなかなかいいカンジなのです。事情を話した時からやる気まんまん。「分かった。乗れ!」って。
ぴーよしを乗せてデイビーの場所まで行くのですが、男5人も乗せてるのでスタックするのでは?というぴーよしの心配をよそに、グングン走っていきます。砂漠の運転に慣れてるようです。

砂に埋まったデイビーを見た一人が、「確かにこりゃダメだ。でもパトロール乗っててどうしてスタックするんだい?」って。未熟な運転でスミマセン。

作業も手慣れた様子。

まずタイヤの空気を1.5kgまで抜けと。ぴーよしは昨夜2.2まで抜いたのですが、それでは足りなかった様です。早速全員でそこまで抜いて、デイビーに積んであった牽引ロープで2台をつなげたら、

アン、ドゥ、トロワッ!!

の掛け声で勢いつけて引っ張る!!
でもデイビーは動きません。何度やってもビクともしません。なにしろ4輪とも半分以上埋まっていますから。むしろタイヤをぶん回し過ぎて、さっきより埋まった感じさえします。タイヤが空転するたびに、砂がまるで噴水のように虚しく巻き上がるだけ。

やはりプラドではダメか、、、

諦めかけていたら、彼らが「ドライバーを交代してみる」と言いました。今までプラドに乗ってたドライバーがデイビーに乗り、デイビーのドライバーがプラドに移ります。それで再度チャレンジです。お互いここまで相手のやり方のダメなところが分かってきたので、もっとああしろ、こうしろと口で言うのですが、ヒートアップしてくると上手く伝わらないものです。そんな場合は交代するのが手っ取り早いかも。

まず1回試したみたけど、やはりダメ。次に新しいドライバーがデイビーのタイヤの周囲をスコップで少し掘ってからガツンとやったら2、3m動きました。でも相変わらずタイヤは埋まったまま。このタイヤが砂の上に出てこないとダメです。
祈るような気持ちで3回目。これが最後のチャンスかも。ガツン!!!そうしたら、、、

お見事!脱出できました!!

その瞬間、デイビーの車体が突然軽くなったかのように、砂の上に飛び出してきました。
すごい!!!やったー!!!助かった~。全員で拍手して握手。
そして記念撮影。

改めて見るHELPの文字。「オマエこれ持って立ってたんだぜ」って全員で爆笑!

悪戦苦闘の跡。

その後は再びスタックしたくないので、幹線道までデイビーを彼らの一人に運転してもらい、ぴーよしが助手席に座りました。ギアは4Hの1速ホールド。物凄いスピードです。レースでもやっているみたいな速度。砂丘ではこのくらい出さないとダメなんですね。

別れ際、お礼をどうしようかと思っていたら、

「アルコール持ってない?」

と一人が聞くので、ワインの1Lパックをあげたらすごく喜んでもらえました。モーリタニアは禁酒国だから、アルコールを手に入れるのは難しいのです。

彼らが行ってしまった後、静けさが戻った路肩でタイヤの空気を入れました。
1.5kgまで抜くとこうなります。ぴーよしはリム落ちが怖くて昨夜ここまで抜けませんでした。

それから今回、牽引ロープとシャックルも過酷な状況の中でいい仕事してくれました。

それからスコップもガムバリました。

5時出発!

140km先の予約してあるヌアクショットのホテルへまっしぐら。間に合うだろうか。
二人ともヘトヘトの疲労困憊。脱水状態。全身砂まみれ。顔には1mmほどの砂の膜・笑。

Transit Hostel

このホテルの詳細は、ぱーのブログへ。近日公開予定。

今夜はパスタ。水々しいグレープフルーツが最高!

こうして普通にホテルで食事できているのが夢の様です。まさに奇跡です。一時は今夜もあの場所で、砂だらけの傾いた車内で寝るのを覚悟しました。水が無くなったら車を一旦放棄することもあり得たし、最悪、旅が終わることも考えました。彼らは強力でした。彼らに出会えた偶然と、全ては彼らのおかげです。感謝しかありません。

それからプラド。いい車です。

今日の移動距離146km。

Translate »