大沢温泉 湯治屋
2021年10月訪問
今回ご紹介するのは、花巻の名湯 大沢温泉です。
大沢温泉には山水閣、菊水館、湯治屋と3つの宿泊棟があります。
山水閣は近代的和風旅館。南部藩かやぶきの菊水館は、現在閉館中。今回宿泊した湯治屋は、昔ながらの湯治スタイルが味わえる宿泊棟です。
大沢温泉 湯治屋に宿泊するのは実は2回目。10年ほど前に訪れた時は、夕方遅い時間にバタバタと到着したので、せっかくのお湯をじっくり味わうことができませんでした。
もう一度宿泊して、ゆっくり大沢温泉を堪能したい!とずっと思っていたので、ようやくその機会がやってきたわけです。
張り切って、チェックイン可能時間の15時目指してやってきました。
ナビに従って走ってくると、15時少し前だというのにほぼ満車の駐車場に到着しました。
あれ、、、?
すでに停められませんけど?
大沢温泉は日帰り入浴も受け付けているので、その車かもしれません。よく見たら、道路沿いの駐車場よりさらに下の方に旅館の建物が見えます。
かなりの急坂ですが、思い切って行ってみることにしました。
坂を下りて行くと、途中に駐車場がありました。
やっぱり上の駐車場は日帰り客用か〜と思ったら、その駐車場の横は山水閣の入口でした。
<山水閣専用> と書いてあるわけではありませんけどね。
いずれにしてもその駐車場もほぼ満車なので、さらに下って行くと、ようやく旅館の入口に到着して数台の駐車スペースがありました。
到着した時、このスペースは満車でした。
まだ15時前なのに、一体何時からいるんだろう、、、?と不思議に思ったくらいです。
下りてきちゃったし荷物も多いので、荷物を下ろす間だけ玄関まえのスペースに車を止めさせてもらうことにしました。
湯治屋へ荷物を運ぶなら、玄関に向かって左横のこの入口が便利です。
大量の荷物を運び込み、さて車を上の駐車場に戻すかな、と思ったら
なんと!玄関横の駐車スペースが空いてたんですよ!!買い物でも行ったんでしょうかね!?
駐車スペースは予約制ではないので、空いてれば止めてOK。というわけで、無事に玄関横に車を停めることができました・:*+.\(( °ω° ))/.:+
皆さんも諦めないで、とりあえず玄関前まで行ってみてください。空いてるかもしれないし、空くかもしれないから(・∀・)
では、改めて玄関から入ってチェックイン手続きをしましょう。
お部屋
玄関を入ると正面が帳場。
予約時に登録した名前や住所がプリントされた用紙を確認したらサインして、チェックイン手続き完了。支払いはチェックアウト時でOKです。
チェックイン手続きを終えると、部屋に案内してくれました。
湯治屋は古いせいか、入り組んだ造りになっています。また階段も多いので、足の悪い方は注意が必要です。
どんどん進みます。
さらに進んでいくと、ドアが障子の部屋に差し掛かりました。前回は、このあたりの部屋に泊まったんです。
角部屋だったので、部屋の2面が障子でちょっと驚きました。まるで田舎の親戚の家に泊りにきたみたいだなぁ、と思ったものです。
今日はその部屋の前は通過して、さらに奥に進みます。
奥へ奥へと進んで行くと、扉の様子が変わりました。部屋の灯りが見えない襖扉です。
今回は、襖扉の角部屋に案内されました。
今回じゃらんで予約したのは、ネット限定!【湯治プラン スタンダード】
部屋代+寝具類一式のセット料金で、1人/3,100円(入湯税70円別)
タオル、歯ブラシは持参してください。浴衣、バスタオルは別料金でレンタル可能です。部屋タイプは、自炊部湯治屋6畳〜8畳となっています。どのように割り振られるのかはわかりません。
窓が2面あることは前回の部屋と同じですが、今回は眺望があります。
ただ、1つの窓は混浴露天風呂に面しているので「女性専用時間中は障子を開けないでください」と言われました。
左側にちょっと見えてるのが混浴露天風呂です。
もう1つの窓は広縁付きです。
窓の外に見える橋は、閉館中の菊水館に通じています。現在菊水館はギャラリーになっているので、たま〜にそのギャラリーに行く人が通ります。
広縁には冷蔵庫。
最近は湯治部でも、冷蔵庫付きの部屋が多くて助かります。
昨年宿泊した後生掛温泉では、部屋どころか炊事場にも冷蔵庫がなくて ”湧き水で冷やす” という荒技を使ってましたよ!
反対側にはガス台。
確か、以前泊まった部屋にはなかったと思います。
須川温泉旅館では無料で使えましたが
大沢温泉は、元栓を開けて10円入れると使えます。
小さいけどテレビあり。
電源は容量が小さそうなので注意が必要です。
ちなみに、室内のコンセントはテレビ横の1カ所でした。しかも1口です。
宿泊の際は、口の多い延長コードを持参することをオススメします。
テーブルの上にはポットとお茶セット。
美味しい玄米茶の茶葉が入ってました。
布団はこのように畳んで置いてあるので、自分で敷いてください。
座椅子もあります。
掛け布団は長さが違ってて驚きましたが、問題なく寝られるレベルです。
最後に、すっかり忘れていた大沢温泉 湯治屋の最大の欠点というか難点を思い出しました。
それは、部屋の鍵がないこと。
内側からはこのようにシンプルな鍵をかけることができますが、お風呂に行く時や外出する時は「貴重品はフロントに預けてください」と言われました。
今や貴重品はお財布だけではありません。パソコン、スマホ、カメラ、、、数えあげたらキリがないです。それらを、部屋を空けるたびにフロントに預けるなんてできるわけがありません。
ぴーぱーは、貴重品はできる限り車の中に置いてくることにしました。
それから、廊下の音が良く響きます。2階の部屋から響いてくる足音は災害レベルです。
良かったことは、Wifiが問題ない速度だったこと。最近は湯治部でもWifi完備の宿が多いです。
館内
荷物の整理も終わったので、館内を見学に行きましょう。
部屋にあった館内図を見ると、この部屋は<上館>となっています。以前宿泊した部屋は<中館>です。到着した時間が早かったせいでしょうか?間取りも中館より広いし、ラッキーです♪
まずは部屋の近くにあったトイレをチェック。
こちらは男子トイレ、明るくてキレイです。
個室も暖房便座とウォッシュレット付き。
続いて女子トイレです。
個室は2つと、やや少なめ。
でもキレイです。
廊下にも館内案内図が掲示されています。
こちらは共同炊事場と洗面所。
炊事場と洗面所はここ1ヶ所なので、2階の部屋の人は少々不便に感じるかもしれません。
広い炊事場。
洗い場には食器用洗剤も置いてあります。
炊事場のガス台はさらに旧式。10円入れて、点火するのにマッチかチャッカマンが必要です。
正直、ちょっと面倒くさい、、、。
酸ヶ湯温泉や玉川温泉の湯治部では皆さん積極的に調理してましたが、ここ大沢温泉の炊事場では、洗い物をしている人の姿しか見なかった気がします。
まな板は置いてありますが、包丁は帳場で借りてください。
電子レンジやトースターもあります。
大鍋や食器はこちら。
お箸もあります。
こんな物も。
夕方、炊事場で洗い物をしていたら60代後半くらいの男性に話しかけられました。名古屋からいらしたそうで、大沢温泉を拠点に周辺の温泉めぐりをしているそうです。
「何泊するんですか?」と聞かれたので「1泊です。これから北海道に行くんで、その途中に寄ったんです」と答えたら、男性は「あ、そうなんですか〜。ボクは10泊してるんですよ」とのことΣ( ̄。 ̄ノ)ノ
ス、スゴイ、、、、、、。
翌朝、炊事場で洗い物をしていたら、今度は違う男性に話しかけられました。年の頃は昨日の男性と同じくらいです。
「お姉さん、これもらってくれない?」と言って、焼きそばやひじきの入った袋を渡されました。なんでも、今日から違う温泉に行くので荷物を減らしたいそうです。
試しに「何泊してたんですか?」と聞いてみたら、「えっと、9泊だったかな〜」ですって!!
湯治部には、こんなお客さんが多いです(・∀・)
歯磨きや洗顔は、炊事場横の洗面台でどうぞ。
炊事場を出て廊下を進むと、
お食事処 やはぎ。
自炊をしなくても、ここで定食や一品料理を食べることもできます。
お食事処の隣にあるのは、炊き出しコーナー。
その時は知りませんでしたが、この炊き出しコーナーでテイクアウトもできるようです。トレーを持って並んでいる人がいたので『なんだろう?』と思ったんですよ。
お食事処と炊き出しコーナーの詳細は、公式サイトをどうぞ。
お食事処の横にある階段を上ってみると、
少し新しい雰囲気の部屋があります。
館内図によると、この辺りの部屋は<新館>となっています。
さらに階段を上ると広いホールがあり、卓球台が置いてありました。
7:30~21:00まで、1人/1時間100円で利用できます。
帳場の方に戻ってきました。
帳場の右横に畳の待合室。古い旅館にはよくあるスペースです。
昔の写真が飾ってあったりして興味深いですね。
座敷と反対側の並びに売店。
お土産から日用品、食料品まで色々売ってます。
ドリンク類もずらっと並んでます。アルコールも種類豊富です。
帳場を通り越してさらに進むと、山水閣に繋がっています。
ランドリーコーナーはその途中にありました。
洗濯機と乾燥機、各2台ずつ設置。
7kgの洗濯機は1回200円。洗剤は売店で販売してます。
ガス乾燥機は10分100円。衣類5kgで30分が目安だそうです。
混浴露天風呂 大沢の湯
大沢温泉では、現在3ケ所のお風呂に入ることができます。
まずは大沢温泉名物の混浴露天風呂、大沢の湯に行ってみましょう。
部屋のすぐ横が入口だったので、部屋にいるときは常に露天風呂に行く人のスリッパの音がしてた気がします。入浴可能時間の朝5時になると、お風呂へ行く人のスリッパの音で目が覚めました。
こちらが入口です。
長い階段を下りると、露天風呂があります。
ドアを開けると川に面して大きな浴槽があります。洗い場はなく、浸かるだけの浴室です。
浴槽は奥に長く、手前の方がぬるめで、源泉が注がれている奥の方が熱め。無色透明のアルカリ単純泉のお湯は、PH9だけあってヌルヌルとした肌触りです。
浴槽に沿って脱衣スペースがあり、入口横には女性専用の脱衣所もあります。ただお湯が透明なので、混浴難易度はかなり高いです。実際、混浴時間中に女性は見かけなかった、とぴーが言ってました。
その代わり女性専用時間の20:00〜21:00は、続々と女性が集結してきます。これは、どこの混浴風呂も一緒ですね。
ぴーは部屋から近いのと大きい浴槽が気に入って、ここばかり入ってました。
男女別内風呂 薬師の湯
続いて、男女別の内風呂 薬師の湯に行ってみましょう。
中庭を眺めながら歩いていくと、
到着。
男湯の前に自販機。
アルコールも売ってます。
男湯の並びに女湯の入口。
男女の浴室は天井で繋がっています。
暖簾をくぐると階段があり、下りたところが脱衣所と浴室です。浴室の壁はガラス張りで、オシャレな雰囲気です。
脱衣所は脱衣カゴのみ。鏡付きの化粧台が1つあり、ドライヤーが置いてあります。
それほど広くありませんが、天井が高いので開放感がある浴室です。近くの鉛温泉 藤三旅館の白猿の湯に似ているなぁと思いました。
浴槽は ”あつめ” と ”ぬるめ” の2つ。どちらもそれほど大きくありません。2つの浴槽の間に洗い場が3ヶ所あります。
洗い場にシャワーはなく、別々の蛇口から出てくるお湯と水を洗面器でブレンドして使うタイプです。洗い場には、ボディソープとリンスインシャンプーが設置されています。
洗い場はかなり狭いので、洗面器でお湯をかけると浴槽に入っちゃうんじゃないかとヒヤヒヤしました。
蛇口のお湯は温泉かもしれません。何回身体を流しても、なんだかヌルヌル感が残るからです。
脱衣所の分析書を見ると、源泉名は大沢温泉。源泉温度51.2℃、PH9のアルカリ性単純温泉です。加水なし、加温なし、循環なし。ごくまれに、必要最小限の塩素で消毒することがある、と記載されていました。
女性専用露天風呂 かわべの湯
続いて、女性専用露天風呂 かわべの湯です。
女性は混浴露天風呂とかわべの湯の両方入れるので、実質4つのお風呂に入ることができます。
かわべの湯は、薬師の湯の奥にあります。
暖簾をくぐると廊下があり、その奥が脱衣所です。脱衣所には脱衣カゴと貴重品ロッカー、洗面台が1つあります。ここにはドライヤーはありません。
分析書が掲示されていましたが、薬師の湯と同じ内容でした。
浴室は半露天です。窓の部分がくり抜いてあり、夜はライトアップされた木々を眺めながらお湯に浸かることができます。洗い場はなく、混浴露天と同様にお湯に浸かるだけの浴室です。
浴槽はそれほど大きくありませんが、泉質はよく、気持ちよい湯浴みを楽しめました。
山水閣 豊沢の湯
湯治部の宿泊者も、山水閣のお風呂に入ることができます。
帳場を通り越して進んでいくと、
コインランドリーの横にドアがあります。靴の人は、ここでスリッパに履き替えてください。
階段を下りたところが、山水閣の入口です。
山水閣に入ると、すぐお風呂。
お風呂の前に自販機が並んでます。
アルコールの品揃えは、こんな感じ。
山水閣のお風呂はとっても近代的です。
脱衣所は明るくてキレイ。洗面台には化粧品とドライヤーがありますが、なぜかティッシュは置いてませんでした。これは薬師の湯も同じです。
浴室に入ると、窓がない半露天タイプの大きな浴槽が1つあります。女性専用露天のかわべの湯を、もっと大きくした感じです。ここ豊沢の湯では、冬季は窓を閉めるそうです。
同じ浴槽内で ”あつめ” のエリアと ”ぬるめ” のエリアに分かれています。浴槽は深く、ゆったりとお湯に浸かれました。
洗い場にはボディソープ、シャンプー、リンスの他にクレンジグとフェイスウォッシュ完備。女性にはありがたいお風呂です。ぱーは身体を洗うために薬師の湯に行きましたが、豊沢の湯に来れば良かった!と後悔しました、、、。
泊まった感想
東北はいい温泉が本当に多く、湯治部を備えている宿もたくさんあります。湯治部の設備やシステムは様々なので、色々泊まってみて、自分好みの宿を探すのも楽しいものです。
大沢温泉はクセのないお湯なので湯治に向いていそうですが、長期滞在する上で ”部屋の鍵がない” というのは、ぴーぱー的にちょっと落ち着かないですね。
ただ、値段の安さは大沢温泉がダントツ!10泊とかするのは、それが理由かもしれません。
10年ぶりに訪れた大沢温泉。忘れてることだらけの自分に驚きながらも、お湯の良さを再確認できて良かったです。
湯治部泊に抵抗のある方は、山水閣に泊まっても同じお湯を楽しめますよ。山水閣も、プランを選べばそれほど高くありません。
妻のぱー:宿選び担当
温泉宿からビジネスホテルまで様々な宿を紹介しています。予算の都合で高級宿レポは少なめですが(笑)、宿選びの参考になったら嬉しいです。
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