しんきや旅館(別府・鉄輪温泉)
2017年12月訪問
せっかくはるばる別府までやって来たのに、1泊だけで帰るのはもったいない!
というわけで、岡本屋旅館に続いてもう1泊、別府温泉の宿に泊まることにしました。それが今回ご紹介する、しんきや旅館です。
しんきや旅館は、鉄輪温泉。初めての別府も鉄輪温泉でしたが、あまり記憶にありません。昔のメモを見て『あの宿は鉄輪温泉だったんだー』と知ったくらいです。もう1度、ちゃんと鉄輪温泉のお湯を確認したくて予約しました。
鉄輪温泉といえば、まさに別府温泉の象徴。国指定名勝の別府地獄もすぐ近くです。地図を見ると、しんきや旅館の近くにはたくさんの共同湯や地獄蒸し工房などがあり、まさに鉄輪温泉街の中心地です。楽しみー♫
ワクワクしながら明礬温泉がある高台から市街地に下りていってまず驚くのは、街のあちこちから湯けむりが上がっていること。
明礬温泉の周辺でも湯けむりが上がってましたが、あそこは山の中腹。ここ鉄輪温泉は、市街地です。その市街地のあちこちから、湯けむりが上がっているわけです。
やっぱり別府温泉は只者じゃありません。
さて、しんきや旅館ですが「駐車場がわかりにくい」とか「辿り着くまでの道がすごく狭くて驚いた」というクチコミを複数見たので、ちょっと心配してました。すると、宿泊前日に宿から ”駐車場の案内” という地図付きのメールが届いたんです。とっても丁寧な図解で、安心しました。
当日。まずはナビに従って進んでいくと、どんどん道が細くなって人が増え、対向車とすれ違うのも大変な状況になってきます。『本当にこんなに奥まで入ってきて大丈夫なのかな?』と不安に思う頃、ようやく宿の看板を発見しました。
ホッとして標識に従って曲がったら、
え? (・ω・) 駐車場はどこ?
どうやら写真正面の2階建の建物が、しんきや旅館のようです。
目の前に駐車場がありますがフェンスで隔たれてるし、明らかに違う所有者の土地な感じです。
とりあえず、入ってきちゃった駐車場に車を止めて旅館に聞きに行くと、ちょうど若女将らしき女性が玄関を掃除してました。そして駐車場までの地図を渡してくれて、丁寧に説明もしてくれました。
そうして辿り着いたのが、こちらの駐車場。
写真奥に見えるクリーム色の2階建がしんきや旅館です。つまり、駐車場は宿の真裏にあるわけです。
改めて前日に宿が送ってくれた地図を見直してみたら、確かに、指示通りに進めば駐車場に到着できたようです。ただあまりに道が細いので、曲がり角にきても躊躇してしまったんです、、、。
臆せず進むべし。
ちなみに、駐車場周辺はこの湯気です。
無事に駐車場に着くと、先ほどの若女将が駐車場で待っててくれました。そして、玄関までの行き方を教えてくれました。
駐車場からは、建物横の通路を通り抜けると先ほどの駐車場に着きます。
フェンス沿いの通路を進むと、
玄関に到着です。
通ってきた通路を振り返ると、この湯気。
玄関前には、地獄蒸しの釜がありました。希望者は、無料で使えるようです。
玄関を入ると、右奥がフロント。
フロントに行くと先ほどの若女将とは違う女性(多分大女将)が待っていて、まずお風呂の説明をされました。荷物はその間にお部屋に運んでくれます。
しんきや旅館にはお風呂が3つあり、全て貸切で利用します。実はこのシステムで、直前まで予約するかどうしようか悩みました。
というのも、全てのお風呂が貸切だと、好きな時にお風呂に入れませんよね。ぴーぱーは温泉に来てお風呂待ちするのがイヤなので、いつもできるだけ大浴場のある宿を選ぶようにしてるんです。でも今回は、”部屋食” と ”値段” に惹かれて予約しちゃったんです。
ところが、到着早々このシステムに悩まされました。
待ち構えていた大女将が「夕食前はお風呂は予約制です。まずはお風呂の予約をしてください」って言うんです。しかも「大きいお風呂の方がオススメですよ。今ならまだ予約入ってませんから、15時半からどうですか?」と。
でも、それって10分後です。 宿からすれば、後から来るお客さんのためにも前倒しでお風呂に入らせたいでしょうが、お客からすれば一息ついてからゆっくりお風呂を楽しみたいです。
悪いとは思いましたが「すみません、16時から予約させてもらえませんか?」とお願いすると、さすがにダメとは言われませんでした。良かったー。。。
ちなみに、これがお風呂の予約表。フロント脇にこうして掲げられてます。
〜24:00まで予約制と書いてありますが、ぴーぱー宿泊時は「夕食前は予約制で、その後は空いてれば自由にどうぞ」と言われました。
お部屋
お風呂の予約が済むと、大女将が館内の説明をしながら部屋まで案内してくれました。
まずは通路を奥に進みましたが、実はこの階段を上っても部屋に行けることに後で気付きました。
館内はやや入り組んでます。
階段の左奥が ”天目の湯”、右奥が ”扇の湯” です。
そして、階段を上ったところに予約不要の露天風呂があります。
お部屋は露天風呂の前を通り、奥に進んだ ”あやめの間” でした。
ちなみに、この廊下を奥に進むと階段を下りてフロントに行けます。
今回じゃらんnetから予約したのは
プラン名:【夫婦・カップル編】【じゃらん限定】大分名物☆部屋食☆貸切風呂☆P無料
部屋タイプ:和室(トイレあり・洗面台あり・マッサージチェア付)net接続無料
平日泊:1人 / 11,850円(入湯税別)
しんきや旅館は全7室。そのうちトイレ無しの部屋が2室です。全ての部屋で趣きが違い、各部屋の様子が公式サイトで見られます。興味がある方は、公式サイトをどうぞ。
”あやめの間” は公式サイトの説明によると、9畳+6畳+縁。かなり広いです。
2間あるけれど、ほとんど奥の9畳間しか使いませんでした。
手前の6畳間には、マッサージチェアが置かれています。
ゆったりした造りの広縁。
窓が多くて明るい部屋です。
空の冷蔵庫も完備。
広縁の反対側には、
洗面台とトイレ。
洗面台には様々なアメニティが置いてあり、クレンジングもありました。
トイレもとっても綺麗。
部屋に戻って、クローゼットの中に浴衣やタオル類があります。
お茶を淹れてくださり、公式サイトにも掲載されてるオリジナルの地獄蒸しパンを出してくれました。しっとりして美味しかったです。
立ち上る湯けむりを眺めながら、少し女将さんとおしゃべり。
昔はどこを掘ってもお湯が出たそうですが、今は新しく温泉を掘ることはできないそうです。今ある鉄輪温泉の宿は貴重ってことですね。
Wifiが使えるとのことでしたが、部屋の中には特に案内はありません。フロントに電話してみると、パスワードが書かれた紙を持ってきてくれました。サクサク繋がりましたよ。
天木の湯
16時になったので、予約した天木の湯に行ってみましょう。
階段を降りて、
自販機の奥です。
自販機は、ソフトドリンクのみの販売。
貸切風呂にしては広めの脱衣所。
分析書が掲示されてました。
湧出地の住所が書かれているだけで、源泉名は書いてありません。ちなみに住所は「鉄輪字風呂ノ本」すごくストレートな、わかりやすい住所ですね。泉温は99.5℃、PH3.2の塩化物温泉です。
岡本屋旅館同様、加水加温等の成分に影響を与える項目は書いてありません。
浴室はシンプルな造り。
天井が高いのが特徴です。
窓の外は先ほど駐車場から通ってきた通路なので、人の気配や話し声が聞こえます。
シャンプーバーもありました。お部屋の洗面台と同じクレンジングも置いてあります。
ここも ”みかん風呂” のサービス。
何しろ源泉温度が99.5℃ですから、掛け流し量はチョロチョロ程度。
そういえば女将さんが「湯温は掛け流し量で調整している」と言ってたので、加水はしてないんだと思います。
お湯は成分が濃いのか、ややもったりしています。塩化物泉のせいもあるかもしれません。少し塩っぱく、薬っぽいニオイがします。夕方入った時は全く透明なお湯でしたが、翌朝は黒い湯の花が舞ってました。
加水しないで湯温を下げてるせいか、12月なのに窓が全開になっています。そのため、浴室が寒いです。お湯もややぬるめでした。
部屋で女将さんに「熱いお風呂、大好きですなんですよ。楽しみだな〜♪」と話したら、ちょっと慌てた様子で「最近は、ぬるめのお湯の方が好まれるんですよ。もし、ぬるかったら言ってくださいね。お湯をジャンジャン出しますから」と言ってくれました。
好みの問題だと思いますが、ぴーぱーはもう少し熱めの方が好きですね。「お湯を足してくれ」とまでは言いませんでしたが、全開だった窓は1/3くらいに閉めさせてもらいました。
扇の湯
夕食後は、扇の湯に入りました。
扇の湯は右奥です。
このお風呂は、脱衣所と浴室の仕切りは衝立1枚。
分析書も掲示されてます。
古い温泉街の共同浴場のような雰囲気です。
扇型の浴槽。
ここにもシャンプーバーとクレンジング完備。
このお風呂は、浴槽が小さいせいかお湯も熱め。ぴーぱー的にはこちらの湯温の方が好みです。
あつ湯好きの方には、扇の湯をオススメします。
露天風呂
最後に、露天風呂です。
ここは予約なしで自由に入れます。
こじんまりした脱衣所。
でも、分析書はちゃんと掲示されてました。
注意書きもあり。
露天風呂は1、2人サイズ。
浴槽に入ると、ザーザーとお湯が溢れていくのが贅沢で良いです。
平日だったせいか、心配していた ”お風呂待ち” はほとんどありませんでした。普通の人は、そんなに何回もお風呂に入らないのかもしれません。おかげで鉄輪温泉のお湯を堪能できました。
夕食
夕食はお部屋食。18時〜と決まっているようでした。
盛り付けもキレイで、ボリュームもある夕食です。
お品書きもありました。
真ん中の蓋つきの入れ物の中は、郷土料理のりゅうきゅう。岡本屋旅館の朝食にも出ましたが、しんきや旅館のりゅうきゅうは全然違う味でした。面白いですね。
上の蓋つき入れ物の中は、じゃがいも団子。これも美味しかったです♫
豊後牛サーロインステーキ。お塩や柚子胡椒で頂くところが九州っぽくて良いですね。
お刺身も美味しかったけど、何の魚だったか忘れちゃいました、、、。
後から出てきたのが地獄釜で作った茶碗蒸しと、
大分名物、鳥天。
さらに地獄蒸しと団子汁も!!お腹いっぱいです。
そして、今日も地獄蒸しプリンです。
丁寧に作られた味で、どれもとっても美味しかったです・:*+.\(( °ω° ))/.:+
岡本屋旅館の朝食と同じメニューが何品かありましたが、他の料理も含めて、しんきや旅館の方が好きな味です。
この値段で部屋食にできて、この味とボリューム。大満足の夕食でした♪
朝食
朝食は食事処で頂きます。
食事処は、フロント横の扉の中です。
中に入ると、衝立で仕切られたテーブルが並んでいました。
この日も、8時朝食開始のぴーぱーが一番乗り。他の部屋は8時半〜でした。
朝食も品数豊富。手作り感満載のメニューでした。
温泉卵も美味しかったですよ♪
泊まった感想
今回ようやく鉄輪温泉の凄さを見られた気がしました。とにかく、あちこちで立ちぼる湯気には圧倒されますし、力強い温泉力を感じます。
ただ「お湯が好みか?」と聞かれると、そうでもないかなぁ、、というのが正直な感想です。
仕方のないことですが、源泉温度が高いので掛け流し量がすごく少ないのが不満。かと言って、たくさん加水して成分が薄まっちゃうのもイヤですしね。
思うに、鉄輪温泉は純粋にお湯を楽しむというよりも、町中の湯気を見て驚くのと地獄蒸しを体験して楽しむ場所なのではないでしょうか。
そういう楽しみ方をするには、しんきや旅館の立地は最高です。お値段も手頃だし料理も美味しい♫ 今回は、しんきや旅館に泊まって本当に良かったと思いました。
初めて鉄輪温泉を訪れる方、そして小さい宿が好きな方にはオススメできる宿です。
番外編では、歩いて行ける周辺の見所もご紹介します。
番外編
チェックアウト後、そのまま少し車を止めさせてもらって周辺を散策してみました。鉄輪温泉街の詳しい地図や案内は鉄輪温泉街の公式サイトに掲載されてますので、そちらを参考にしてください。
まずは、しんきや旅館から いでゆ坂 を上ったところにある地獄蒸し工房にやってきました。
中に入ってみると足湯や、
足蒸しがあり、全て無料で楽しめます。
“足蒸し” って関東周辺の温泉地ではあまり見かけませんが、先日佐賀県の嬉野温泉に行った時も温泉街に “足蒸し” があり、地元の人達で賑わってました。
鉄輪温泉では ”足蒸し” よりも ”地獄蒸し” の方が人気のようで、そちらは外国人客を中心に大賑わいでした。
”地獄蒸し” とは、しんきや旅館にもあったような蒸し釜で、好きな食材を蒸してもらえる体験コーナーです(そちらは有料)。写真は撮りませんでしたが、大人気でしたよ。
それから、共同湯も何軒かまわってみました。その1つがこちらの、すじ湯温泉。
入口にこのような貼紙があり、しんきや旅館の名前もありますが、旅館ではこのような案内はありませんでした。
続いてすじ湯温泉の近くにある、熱の湯です。
ここは、唯一無料で入れる外湯です。
目の前には駐車場もあり、他県ナンバーのキャンピングカーが止まっていたので、温泉好きには有名なのかも。ぴーぱーは時間がなかったので、入浴はしませんでした。
周辺には、まだまだ見所や共同湯がたくさんあります。興味がある方は、鉄輪温泉街の公式サイトに掲載されている散策マップで行きたいところを探してみてくださいね。
妻のぱー:宿選び担当
温泉宿からビジネスホテルまで様々な宿を紹介しています。予算の都合で高級宿レポは少なめですが(笑)、宿選びの参考になったら嬉しいです。
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