25万キロ初交換シリーズ④ ブレーキホース

25万キロ初交換シリーズ」の第四回目。

走らない車も困りますが、止まらない車はもっと困ります。キケンです。
知人の車は、整備工場でブレーキを思いっきり踏んだらブレーキホースが裂けたそうです。
「走っている時でなくてよかった」と言っていました。ホントですね。

が、デイビーのホースも同じような状態かもしれません。なにしろ15年25万キロ無交換です。
世界に行くにあたり交換しておくことにしました。

ハイ!では交換しましょう♪
と軽めにいきたいのですが、そうカンタンにはいかないところがサファリです。
調べてみたら、サファリにはブレーキホースがなんと7本もある事が判明。
(普通の車は3、4本らしいです)

なんで7本も必要なの?

多分、オフロードを走るとサスペンションが大きく上下に動くので、それに追随するために必要なのではないでしょうか? 贅沢な作りです。
でもとにかく7本必要なのでMonotaROに純正ホースを発注しました。

するとその内2本が廃番で、代替の部品番号お知らせメールが届きました。
現在の7本の部品番号は、下記の通りです。(自分のための備忘録)
46210VB20A
46210VB00A→新番号46210VB00B
46210VB11A
46211VC71A
46211VB00A→新番号46211VB00B
46211VB20A
46210VB21A
ちなみに全部値段は同じで、一本1600円くらいですが、7本あるので12,000円近くなります。
贅沢な作りはありがたいですが、サイフに優しくないです・涙。

ともかく7本揃いました。

あと買ったのは、ブレーキパイプのナットを緩めるためのフレアナットレンチと
ホースを外している間にブレーキオイルが漏れるのを止めるためのシリコン栓。

シリコン栓は、じつは今回ホースだけでなく、ブレーキパッドやピストンのメンテも行うので(それは追って紹介予定)、長時間ホースをつながない状態にするので、その間の漏れ止めに買いました。ホースの途中をロックプライヤーではさんで止血するという方法もありますが、ホースを傷つけたくないので、ぴーお得意の “シリコン栓止血作戦” です。
でもブレーキ配管は内径が3mmくらいと細いので、前回買った栓は刺さらないので、細のを買いました・涙。

それからコレも必須です。

ペットボトルに入れた水+スプレー。
ウィンドウのセキュリティフィルムを貼った時に使ったヤツですが、今回も出番です。
なぜかと言えば、ブレーキオイルは塗料を溶かしてしまうから。
もしもボディーにオイルが付いたら、これでスプレーして流します。
ボディーの塗装がはがれたらタイヘンです。

では作業開始!

まずブレーキパイプのナットにCRC556を吹きかけます。固着しているかもしれませんからね。(作業前日吹きかけました)

バッテリーのマイナス端子外す。

外したコードが不用意にバッテリー端子に触れないように、ボロきれ巻いて絶縁。

なぜバッテリーを外すのか?じつはこれ非常に大切です。
ABS(アンチロックブレーキ)付きの車では、キースイッチをONにする度に、ABSがシステムに異常が無いか起動時チェックするのですが、その際ブレーキオイルを若干システム内に吸い込みます。
ところがホース交換中は、配管の中にエアーが入っているので、そのエアーをABS吸い込むとトラブルになります。
ABSのエアー抜きはDIYでは難しいようです。

ではホース交換中に、どうしてキーをONにしてしまうのでしょうか?
そんなことするわけ無いと思うかもしれませんが、ところがギッチョンするんですね!
それは前輪ブレーキを交換するとき、作業しやすいようにステアリングを左右一杯に切った状態にするのですが、ブレーキディスクを手で直接左右に動かそうとしても動かない場合があります。
そこでハンドルを回して動かすことになるのですが、キーを抜いた状態でハンドルを回すとハンドルロックがかかって回せなくなります。ロックを外すためにキーを差し込みONにしたとたん、

「あっ!やっちゃった」

となるわけです。
その後は、ABSがエアーを噛む→ブレーキが効かなくなる→自分で直せない→止まらないから走れない→レッカー車で修理工場へ→多大なレッカー代と修理費を払う羽目になる・泣。
お気をつけください。

話しは作業に戻り、ジャッキアップして、、、

タイヤ外す。

外したタイヤは万一車が落ちてきたときに車体を受け止めてもらうために車のフレームの真下に入れます。
さらにレンガを挟んで、落ちた時の車高を稼ぎます。ぴーの身体が押しつぶされないようにするための保険です。(レンガごときではデイビーの車重2.5トンで砕けてしまうかもしれませんが、、、)

ボンネット内のブレーキオイルタンクの蓋を開け、、、

網のフィルターを取ると、、、

オイルの表面に、藻のようなゴミが浮いているので取り除きました。
この藻は、何年前から生息しているのだろうか?

タンクの周りにタオルを巻いて、オイルが漏れても下に垂れないようにしました。その後フタを閉めます。

で、いよいよホース外しの儀。
まずはホースの抜け防止に刺さっているクサビをペンチで抜きます。

このクサビもくせ者で、ペンチで引っぱったり、マイナスドライバーを当ててハンマーでたたき出したり、位置や向きに応じていろいろな方法で抜き取らなければなりません。創意工夫が大切です。

次に配管のナットにフレアナットレンチをはめて緩めます。
カキン!と言う音とともに外れました。
556が効いたの? KTCのレンチが素晴らしいのか?

ホース内のオイルが漏れないように、完全に外す前にホースの中程をロックプライヤーで挟んで止血。(古いホースは傷ついても構わないので)

ホースを完全に外して、車体側配管にすかさず栓。
ラジエーター水と違って、ブレーキオイルはポタポタといった感じで垂れてきますのでそれほど焦りませんが、オイルが付いた部分は水スプレーやパーツクリーナーで丹念に流します。

次はホースのもう一方の部分を外します。

フレアナットレンチで緩めて、、、
(新聞紙はオイルが付かないようにするための養生)

カキン! 成功!

ところがホース取付ボルトの回転が渋い。
固着か? あせる! 冷や汗が、、、

しかしよく見るとこの部分に塗られた塗料がナットに噛み込んで回転が渋くなっていることに気がつきました。

整備作業でうまくいかないときは、
①まず落ち着く
②よく見る
コレ大切です。

ボルトの塗料をワイヤーブラシで落として、、、

556を吹きかけたら、、、

無事外れた!

一本目。

新しいホースを付ける。

前輪ブレーキ裏のホースも同じように交換。

このホースは、パッキング(部品番号46237-A4600)も交換します。
パッキングは再利用禁止です。

左側の2本も同じように交換して前輪のホース4本を交換。
ここまでで二日掛かりました。
初めての作業は大抵、予想していた時間の3倍は掛かります。

続いて後輪。

ところがホイールナットを外しても、ホイールが外れません。
ホイールがハブに貼り付いているようです。
押しても、引いても、揺すっても、叩いてもダメ。途方に暮れたまま一時間経過。

ところがネットを見たらそんな時の外し方が書いてありました
なんと、

タイヤを内側から蹴る!

軽く蹴るだけで外れました。目からウロコです。
この方法は知ってよかったです。砂漠の真ん中でパンクしてタイヤが外れなかったら生死にかかわります。

後輪のホースもなかなか難物でした。
例えばココ。

両側のパイプのナットは外れても、

パイプが真ん中の四角い部分に両側から刺さっているのでホースが外れません。
パイプは金属製なので意外にガンコで動きません。

よく見ること30分。
パイプが延びている先にあるホースも外して、パイプをずらせばよいことに気付きました。(もっと早く気付けっちゅうの!)

悪戦苦闘の一日でした。

交換したらエアー抜き。

作業によりブレーキパイプやホースの中に入ってしまった空気を抜く作業です。
抜かないとブレーキが効かないので、完全に抜かなければなりません。

そのために買ったのがコレ。

エア抜き作業は通常、ブレーキ踏む人と、ブレーキの横でブリーダープラグ(オイル抜きネジ)を開閉する人の二人がかりで行いますが、それを一人でできるようにした工具です。
通称 “ワンマンブリーダー” と言うそうです。

ブレーキ裏のブリーダープラグに被せてあるゴムキャップ外して、、、

ワンマンブリーダーのホースを、、

押し込み、、、

セット完了!

ブリーダープラグにスパナ掛けて緩めて、、、

ブレーキ踏むとエアー混じりのオイルが排出されます。

これを4輪についてエアーが出なくなるまで、車の周囲をグルグル回って行います。
今回は2周目でエアーは出なくなりましたが、念のため4周しました。
また、一人でブレーキ踏んでいると、エアーが出きったかどうか見えないので、ぱーにブレーキ踏んでもらいました。
結局二人掛かり。約一年ぶりの夫婦共同作業です。

それからオイルを排出すると、オイルタンクのオイルが減るので、まめにスポイトで継ぎ足しながら作業します。
(オイルを補充しないと、ブレーキマスターシリンダーにエアーが入ってこれまた面倒くさいことになるので注意!)

ところが作業途中で、スポイトがオイルで溶けて穴が空いてしまいました。
その後は、小さなプラカップにオイルを入れて継ぎ足しました。
結局この方がやりやすかったです。

パッドやピストンのメンテも併せて4日かかりました。
で、交換し終わったホース7本。

ゴムは多少硬化していますが、ヒビや裂け目はありません。まだしばらくは問題無く使えるレベルでした。
さすが安全を担うブレーキホース。丈夫にできています。
でも新しいホースに交換して、世界から帰ってくるまで安心して走れます。
メデタシメデタシ!