車のヒューズ全交換
ヒューズはエジソンが発明したそうです。やるねエジソン!
ところで自動車ヒューズも劣化するそうです。およそ10年で交換時期らしいです。知りませんでした。
どうして劣化するのかと言うと、ヒューズの金属エレメント(切れる部分)が電流が流れる度に発熱するので(定格電流内でも結構熱くなるそうです)、熱で柔らかくなったエレメントが自重でわずかに伸びて細くなり、定格電流以下でも切れやすくなるそうです。
最近の車は10年以上走る車もザラなので、ヒューズも長寿命化されているらしいですが、
デイビーは16歳です。
世界旅の途中で切れると困るので、全部交換する事にしました。
では作業開始!
ヒューズはハンドル下にあります。
フタを開けると、、、
ヒューズが沢山並んでいます。
どれが何のヒューズかは、フタの裏側に書いてある。
でもよく見ると、走行中に切れたら事故になりそうなヒューズが幾つかあります。
例えばフューエルポンプヒューズが走行中に切れると→燃料が来なくなる→エンスト→パワステとブレーキブーストが効かなくなる→曲がらない止まらない→事故る! かなりコワイ状況です。
他にも、メーター、エンジンコントロール、ATコントロールのヒューズが切れたら、まともに走らないことは想像に難くありません。
ヒューズは安全を支える重要部品です。
それでは、さっそく外しにかかります。
外すにはヒューズプラーが必須です。素手では外れません。小さすぎてつまめません。車付属のプラーは無くさないようにしましょう。
外したヒューズ。
それでは新旧比較!
左2個が新。右2個が旧。
旧の端子は、車両側の接点に接触していた部分以外は真っ黒。
黒いのはナンダ? コゲ、サビ、汚れ?
調べてみたら、ヒューズの端子はサビ防止と接触抵抗軽減のために銀メッキされているそうです。黒いのは、その銀が空気中の硫黄(実際には亜硫酸ガスや硫化水素)と反応して出来た硫化銀の膜だと思います。硫化銀はサビと違い表面に付くだけで内部まで浸食しませんが、電気の導通を妨げるそうです。
どれくらい導通を妨げるか測ってみました。
まずは新品ヒューズ、、、もちろん抵抗ゼロでした。
(メーカーの太平洋精工HPによれば、実際は0.003〜0.01Ω(オーム)程度あるそうです。でも小型テスターでは測定不能)
続いて旧ヒューズ。
黒い部分にテスター棒を当てると、、、
当てる場所によって変わりますが、0.1〜1.6Ωくらいでした。
そのくらいならいいか、、、とナメてはいけません。
仮にヒューズの抵抗が1Ωになった場合、ヘッドライトがどのくらい暗くなるか?
ぴーの計算によれば(←合ってるかあやしい。計算を単純にするために、バッテリーにヒューズとヘッドライト1個だけがつながっている事として計算。オームの法則とか使えば計算できます)、
55Wの電球が、28.5Wになってしまう。
と言う驚くべき結果になりました。抵抗がたった1Ω増えただけで電球に供給される電力が約半分になってしまいます。これはかなり暗くなるハズ。
まあ実際には、暗くなってフィラメント温度が下がると、フィラメントの抵抗が下がるので、電流が多く流れるようになり、もう少し明るくなると思います。
また接点が接触していた部分は空気に触れにくいためか、硫化銀は発生していなかったので、抵抗が1Ωまで大きくなる事はないと思います。
でももし抜いたヒューズを別のヒューズホルダに差し込んで使った場合は、端子の接触位置が微妙に変わるので、黒い部分に端子が当たり導通障害になるかもしれません。黒くなった中古ヒューズの使い回しはやらない方がいいかもしれません。
それにしてもデイビーから外したヒューズは真っ黒です。
ちょっと黒すぎないか? 16年の蓄積か?でも、、、ふと気付いた事があります。
それは、、、
硫黄泉の温泉ばかり行ったから?
“超” が付く程の温泉好きのぴーぱー。特に硫黄泉が大好きです。これまで硫黄臭ただよう温泉ばかりを、ありがたがって数多く訪れてきました。しかもデイビーで。
硫黄泉の旅館の水道蛇口が真っ黒に変色しているのは定番です。ある旅館の人は「硫黄のせいでテレビやパソコンは一年で壊れる」とも言っていました。
そんな温泉宿の駐車場に一晩駐めておくのですから、ヒューズの硫化が進んだのかもしれません。
例えばココとか、、、
ココも。
この二カ所の硫黄はスゴイですよ!
硫黄泉としてはサイコーです。超オススメです。
硫黄泉恐るべし!
閑話休題。
と言う事で、ぴーが買ったヒューズはコレ!
エーモンの製品ですが、中身は信頼の太平洋精工です。(2017年購入時点では)
太平洋精工は、日本を代表する自動車ヒューズメーカーです。
製品のココに “PACIFIC” の文字があれば同社製です。Made in Japanです。
ちなみにデイビーから外した純正ヒューズも同社製でした。
でも4年前に買ったので、端子がすでに黒くなり始めているのもあります。
世界旅に行くときの予備部品として購入したのですが、早くも、、、。
黒い部分をサンドペーパーで擦って使います。
(硫化銀は目の細かいサンドペーパー(2000番使用)で軽く擦れば取れましたが、メッキが削れて地金が露出する可能性もあるので擦りすぎ注意)
■粗悪品ヒューズ比較
じつは安さにつられて一箱千円の中〇製(?)も同時期に買ったのですが、こちらの端子は今も銀色ピッカピカ。
でもだまされてはいけません。黒くなっていないと言う事は、銀メッキしていないと言う事です。おそらく安メッキに違ありません。
安メッキはその内サビて、そのサビが車体側の接点に移ったら大変です。ヒューズボックスごと交換の憂き目に遭います。
しかもよく見たら、端子表面はガタガタのザラザラ。ブレスのバリだらけ。
これでは接触面積不足で、電流が上手く流れない恐れもあります。
そうなると発熱して、最悪出火します。
こんな物に命預けて走れません。
太平洋精工HPによると自動車用ヒューズには、耐振動、−40〜120℃の耐温度、溶断精度、サイズ・重量と性能の両立、機能を保持し続ける耐久性など、車特有の要求を満たす厳しい性能が求められるそうです。
つまり、
不要なときは絶対作動しないで、必要な時は10年後でも確実に作動する。
という技術なのでしょう。
「こう言う技術が一番難しいんだ」
と、戦闘機の射出装置(撃墜されたときにパイロットを打ち出して脱出させるアレ)の化薬を作っている某日本メーカーの友人が昔言っていました。
射出装置、ヒューズ、それからエアバッグ。似たもの同士かもしれません。
つまり何が言いたいかというと、
ヒューズは信頼ある製品を使いましょう!
こうなると、エンジンルームにあるもっと大きなヒューズ(スローブローヒューズ)もなんとかしたいなあ、、、
ぴーぱー夫婦の だんなのぴー:車担当。
四駆、旅、登山、星、温泉、お遍路、DIY、野菜づくり、マグロ好きの50代。別名マグロよしのり。2020年3月退職。
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