25万キロ初交換シリーズ⑨ 大難航!ショックアブソーバーブッシュ

「25万キロ初交換シリーズ⑧ リーディングアームブッシュ」の続き。

フロントショックアブソーバーのゴムブッシュを交換しました。
最初に言っておくと大変でした!難航しました!苦労しました!

ショックアブソーバーは、サスペンションの主要部品です。
筒状の部分が上下に伸び縮みして、車体の揺れを適度に抑えて乗り心地や操縦性を向上させてくれるそうです。
コレがそうです。

フロントショックアブソーバーには4つのゴムブッシュが使われています。

つまり車体への取付部分、上側に2つ、下側に2つあるわけです。
車体フレームをブッシュでサンドイッチして路面からの細かいショックを吸収しているのですね。

これが上側。

下側。

ご覧の通り、下側の二つの劣化が進んでいるようです。ひびが入って色も茶色に変色しています。これではアフリカを走るのは不安を感じます。
今回サスペンションブッシュを幾つか交換しましたが、一番交換したかったのがじつはこのブッシュです。
他のブッシュはついでに交換したようなものです。いろいろ経験を積んで、いよいよ本題に取りかかるわけです。
何人かの方の書き込みによるとこのブッシュの交換は、ナットが緩まなくてかなり手強いらしいです。
はたしてどうなることやら、、、。

■上側ブッシュ外し

上側ブッシュを取り外すには下写真のナットを緩めればいいのです。
まずはお約束のワイヤーブラシで掃除して、、、

556を吹きかける。(ここまでは前日にやりました。一晩浸透待ち)

明けて翌日。
いよいよレンチを掛けます。

上のナットに超ロングストレートレンチ、下にショックアブソーバーが供回りしないように19mmのスパナを掛けます(ショック本体にスパナが掛けられるように二面が切られています。親切)

当然、緩みません。

評判通り手強いです。
そもそも供回り防止のスパナも、上側のレンチと同じ長さが無いと供回りを止められるわけありません。
どうしたものかしばらく思案。

ぴーは長年仕事で企画書を作ることが多かったのですが、いい案が思いつかない時は、トイレでふんばったり、風呂で髪の毛を洗ったりしていると、いい案を思いつく事がよくありました。
あ〜でもない、こ〜でもないと考えた末に、何か他のことをして頭が一瞬からっぽになった時、いい案が思いつくようです。
「ああ、これはつまりこう言うことだったのか」と考えが整理されたり、「そう言えばこういう考え方をしていなかったなあ」と自分の考えの穴に気付いたり、「それならこんなのはどうだろう」と新しい案が思いつくのです。脳は不思議です。でもその前にいろいろ考え抜いておくことが必要ですけどね。

以上、経験談。おいといて、、、
そこで今回も、コーヒー飲んでトイレに行って、あれして、これして、、、30分ぐらい考えました。
その結果思いついたのがこの方法。

前の写真と違いわかりますか?
同じじゃん、と思いますよね?
いいえ全然違います。何が違うかというと、緩み止めスパナがアブソーバーのステーに当たっています。そうすることで供回りしないようにしているのです。

こうすることで、スパナを手で押さえる必要が無く、手で押さえていた時よりも、強く供回りを防ぐことができます。
日産がそこまで考えてステーを作っているのかどうかはわかりませんが、確かに便利な所にステーがあるものです。

それでも腕力だけでは回りませんでした。
でもレンチをハンマーで叩いたら(禁じ手)、、、

ガン!ガン!ガン!と叩いたら、
グッ、グッ、グッと緩みました。ちょっと感動!

でもこんなの序の口でした。

■下側ブッシュ外し

下側のナットにロングレンチ掛けて、供回り止めにモンキースパナを掛けました。(ショックの先端にモンキーを掛けられるように二面の小さい突起がありました。親切)

しかしモンキースパナがなめて、突起がねじれました。

この突起は、ショックを取り付けるときの供回り防止にはなるでしょうが、外すときには弱すぎて役に立ちませんね。

ここからがタイヘンでした。

もう一度頭を冷やします。
ナットには緩み止めのフランジ(ナットにワッシャのようなものが一体化している)が付いています。ナットは勿論セルフロックナットです。
特に錆びてはいませんが、これら二点が緩まない事に泊車をかけているようです。

まずはフランジとワッシャのすき間にも556噴射。(おまじない程度かな?)

他のブログを読むと、プロの整備工場ではこのナットを、エアーインパクトレンチでガガガガーッと連続打撃であっという間に外すそうです。
ぴーが持っている似たような道具といえばコレです。

ドリルドライバーに17mmソケット付ける。

んでもってガガガーッとね。

全く歯が立ちませんでした。
写真のドリルドライバーは別のヤツ。二個持っているんです。両方ともダメでした。

このへんで解ってきたのですが、
ナットを緩めるには、いかにしてショック本体の供回りを防ぐかがカギです。
でも円筒形のショックを回らないように押さえるのが難しいのです。

次はこうしてみました。

ウォーターポンププライヤでショックを掴んで(ショックの一番下の固そうな部分を掴んだ)、プライヤの握り部分をシャコ万力で思いっきり締めて(プライヤがショックをガッチリ掴むことになる)、それを車体フレームに当てて回り止めにして、、、

ブレーカーバーで回す。

ダメでした。ショックの供回りをゼンゼン止められません。
勿論ナットをバーナーで炙ったり、ハンマーで叩いたりしましたがダメです。
炙りすぎてブッシュから煙が出てきました。慌ててストップ。

手持ちの道具では万策尽きた感じです。いい方法を思いつくまで他の作業をしました。車体フレームへのさび止め塗料ぬりです。
これ以降の写真でフレームが黒く光っているのはそのためです。塗りながら2日くらい考えました。
供回りを止めるいい方法は無いだろうか???

単管クランプはどうだろう?

思いついたのはこの方法です。

建築現場の足場などに使う単管パイプのクランプです。
単管の直径は48mm。サファリのショックの直径は45mmでした。偶然似たような直径です。これならショックをガッチリ掴んでくれるかも。しかもホムセンで一個約200円。安い!(ユニバーサルクランプと直交クランプ各一個買いました。)

クランプに1mの単管付けて、それを手で持って回り止め。

ブレーカーバーで緩める。

ダメです。これまでやった方法よりは、掴む力も強くてかなりいい線ですが、やはりショックが回ってしまいます。ガックシ、、、。

さらに一日考える、、、。

で、思いついたのは、、、

クランプ2個をフレームに当てて回り止めにしました。
ショックを掴む力が二倍になりました。

で、ブレーカーバーで回したら、、、

左だけ外れた!

外れたナット。座面には556がしみこんでぬれていました。
おまじない程度かと思っていましたが、浸透するんですね556。

でも右はダメです。これでも供回りします。
一体どれだけの力で固着してるのか?

右側をどうしようか?あきらめようか?でも炙って煙り出たからもう使い物にならないです。後戻りできません。
でもクランプ3個付けるスペースもありません。
かくなる上は最終手段。

リュータービット買いました。二千数百円。安物です。

コレをドリルに付けて、ナットを削って破壊します。

削るのにもなかなか力が要ります。

目に防塵ゴーグル(ホムセンで10年以上前に300円で購入)つけて1時間くらい削りましたが、ここまで削っても緩みません。
これ以上削るとネジ山を削ってしまいます。

ショックも新品交換するのなら、躊躇無くネジ山も削ってしまえばいいのですが、
ぴーはショックは交換しないつもりなのでこれ以上は削れない。

そこでナットがダメならブッシュへ攻撃です。
まずはカッターでブッシュを切ってみます。

ブッシュが固くてほとんど切れません。それならば、、、

ドリルでブッシュに穴を開けて、開けて、開けまくる。ドリルを何カ所も貫通させて、ブッシュを破壊します。

こうなりました。痛々しい。

で、ブッシュをラジオペンチでむしるように引っぱったら、、、取れました。

スッキリ取れました。これでナットに掛かる力がなくなったはず。

この状態で、ナットの上から、下から、切れ込みから556して、単管クランプで回り止めしてスパナ掛けたら、、、

外れました。

最後は結構あっさり外れました。でも作業開始から数日かかりました。
もしかして最初からゴムブッシュ破壊すればよかったのかも。

しかいここまでしなければ外れないとは、固着恐るべし。
でもサビ固着しているわけではありません。一体なんだったの?
手間掛けさせられました。

あとはショックを手で縮めて取り外す。

■外れたショックとブッシュ 観察タイム。

ブッシュ。

左から、下ブッシュ、上ブッシュ、新ブッシュ。
上ブッシュはまだまだいけそう。

お疲れの下ブッシュ。

ショックの取付ボルト。上側。
問題なし。

でも下側はボロボロ。サビて少し細くなっています。

普通なら即交換です。
でもぴーは交換しないで使います。
だって小遣いが無いから。(ちなみに純正ショックは1本1万3千円)

それにショックアブソーバーは無くても走れる部品です。
だから旅の途中で壊れてもいいんです。
壊れたら外してそのまま走るか、ランクルの中古ショックでも買ってつけ替えればいいと思っています。(甘いかな?)

なのでブラシで掃除して、、、

黒く塗って、、、

乾燥中。
ちなみにショックを手で伸び縮みさせたら、2本とも同じ手応えだったので、
両方とも多分問題無し。(もしくは両方ともNGか)

ボルトにさび止めのシリコングリス塗る。

取付部分も掃除してグリス塗ります。
フレームと一体化しているこのような部分は、さびても交換できないのでメンテが大切です。

そして新しいブッシュを付けて戻す。

黒く塗ったら、なんだか新品のように見えてきた。そんなわけないか?

下側ネジには固着防止のグリス塗る。旅の途中で壊れて外すときに苦労しないようにです。(ただしナットのカシメ部分にはグリスが付かないように、ボルトの根元付近にだけ塗布)

新品ナットを締め込みます。

締めるときは短いスパナで充分締められます。
規定トルク(50N・m)に全く達しないでブッシュがつぶれるだけなので、分解前と同じ位置まで締めてやめました。

下のナットも同様にいくらでも締め込めるし、供回り止めはショックを手で握っていれば充分です。あれほど苦労したのに何だったのだろう?規定トルクの意味不明。(これはもしかしてショックを使い回しているからかも知れません。中古ショックのボルトも、セルフロックナットでネジ山が若干削られているので、緩い力で締められるのかも)

分解前と同じ位置まで締めて終わり。

交換完了!

長々書いてきたサスペンションのブッシュ交換。
全て交換して試し乗りしました。
してその乗り心地は、、、、、、、

ぜんぜん変わりません。前と一緒です。

少しは変わるとか、段差を乗り越える時のショックや音が小さくなるとか、じつは期待していたのですが変化ありませんでした。
ツマンナイの・笑。

でも車にいいことしたような、、、。自己満の世界ですね。