エアバッグ修理〜5 スパイラルケーブル取り外し編

エアバッグ修理〜4サイドセンサー編」のつづき

これまでエアバッグ警告灯が点滅する原因を探して、エアバッグコンピュータ、シート下コネクタ、サイドセンサー、助手席コネクター、、、といろいろチェックしてきましたが、原因は見つかりませんでした。
今回はいよいよエアバッグ故障の大本命、ハンドルのスパイラルケーブルをチェックします。
これでも故障原因が見つからなければ、もうやりようがありません。崖っぷちです。

最初に、スパイラルケーブルとは何ぞや?ですが、、、

それは、ハンドル中央にあるゼンマイ状に巻かれたケーブルです。クロックスプリングとも言うそうです。
ハンドル中央にあるエアバッグインフレーターと車体側をつないでいます。ハンドルを左右に回転させても、ゼンマイが多少緩んだり締まったりするだけで、接続が切れない仕組みになっているのです。

ところが長年ハンドルを回し続けると、さすがのゼンマイケーブルも金属疲労で断線することがあり、それでインフレーターとの接続が切れると、エアバッグ警告灯が点滅することが多いらしいのです。

図で書くとこう言うことです。

では作業開始!

まず最初にやることは、

ハンドルをまっすぐにすること。

ハンドルを左右どちらかに切った状態で作業をすると、後でハンドルの中立点(まっすぐの位置)がわからなくなります。
必ずまっすぐの位置にしましょう。

続いてバッテリーの両端子を外して一晩放置。忘れてはならないお約束。

端子を外した後、キーひねったり、ハザードボタン押したりして、回路内の残電流も念のため抜いておきます。

翌日。
いよいよハンドル周りの分解です。

まずはこのキャップをドライバーでこじって外す。

ハンドルの両側にあります。パコッと取れてどこ行ったかわからなくなる・笑。

するとこんなネジが現れる。

トルクスネジのいじり止め突起付き。中央に突起があるので、普通のトルクスドライバーは入らないし、マイナスドライバーで無理矢理回すこともできません。
日産としては、ここの部分はイジッて欲しくないらしい。

でもそれは想定内。monotaroで専用ドライバービットを購入してあります。
税込み416円。monotaroオリジナル工具は安くて助かります。

滅多に使わないから安いので充分。でも品質は悪くなさそうです。
真ん中に穴が開いているタイプ。

T30のビットを、モンキースパナで挟んで持って、、、

ねじ頭をなめないように慎重に回す。

かなり渋かったですが、無事取れた!

青いネジロックで固めてありました。渋いハズです。

するとエアバッグが内蔵されているクラクション部分が外れます。

タオルで養生しながら外す。

裏側はこうなっていて、2本のコネクタケーブルで車体側とつながっています。

1本は、クラクションやクルーズコントロール等のケーブル。

爪押しながら引っ張れば外れます。

もう一つの黄色いコネクタがエアバッグ。
コイツを外すには、ココにドライバーを差し込んで、、、

黒い部分を持ち上げると、、、

ロックが外れて抜けます。

インフレーター側。例によって暴発防止のショート金具が付いている。

めでたく外れました。

外したインフレーターは、必ず上向きにして保管します。
裏返しにしておくと、もしも暴発した時に、膨らんだバッグの反動で、上方に飛び上がるそうです。コワ。

下には静電気に触れにくいように、綿タオル敷きました。

車体側に戻って、、、

次はこのハンドル固定ナットを外します。

このナットは、かなりきつく締まっているらしいので、ハンドルを回してハンドルロックする。

19mmソケットでグイッと。

取れた!

それほどキツくはなかったです。ハンドルも固着することなく、この時点でグラグラになりました。

そうしたら、ハンドルロックを解除してハンドルを中立に戻します。
(ちなみに、ナットが完全に緩んでいると、ハンドルロックが外れないようです(デイビーはそうでした)。一度ナットを軽く締め込んでから、ロックを外します)

ハンドルを中立に戻したら、ナットを外して次に進む。

でもまだハンドルを抜いてはいけません。

ハンドルと軸は、ギザギザではまっているので、ハンドルがどの位置ではまっていたかわかるように、合いマークを入れます。

サインペンで、黒と赤の二カ所に付けました。青いのは製造時に付けた合いマークだと思いますが、太すぎて役に立たない。

ちなみに、ギザギザを一歯だけずらしてはめると、このくらいずれます。

一歯でこれだけずれるのならば、戻すときにも元の位置に間違いなくはめられるでしょう。

ここで初めて、ハンドルを外す。

ちなみにハンドル軸。

このギザギザではまっている。

ようやくスパイラルケーブルがあらわれる。

ここで大事な作業がもう一つ。それは、

中立点の確認。

スパイラルケーブルを、不用意にクルクル回すと、どこが中立点だったかわからなくなってしまします。
まず、スパイラルケーブルに付いている合いマークの二つの▲を合わせます。ここが中立点。

そうしたら、白いぽっちをつまんで、右にクルクル回転させて、右のエンドまで何回転するかを確認してメモる。
同様に、左エンドまでの回転数もメモる。

デイビーの場合は、右のエンドから中立点までは2回転半。左エンドからは、2と四分の一回転で中立点でした。

これでスパイラルケーブルがどの位置にあっても、中立点に戻せるので、安心して作業を進めます。

スパイラルケーブルを外すには、コラムカバーを外します。

ネジ外す。
キーのプラスチックリング外す。今の車って、キーが無いからこの作業はない車の方が多いかも。

上側カバーがカパッと外れる。

下側はバコッです。

で、こうなって、、、

左右に付いているウインカーレバーとワイパーレバーの、上下の根元の爪を押すと、、、

レバーが抜ける。

レバーを横にどける。(ケーブルは抜く必要なし)

スパイラルケーブルを固定している2本のネジを外すと、、、

外れるので、、、

裏側に刺さっている2つのコネクターを抜くと、、、

スパイラルケーブル取り外し完了!

車体側。

これがスパイラルケーブル。

次回は、コイツを分解&チェックします。

つづく