世界へ!最終整備7 前輪ハブメンテ〜アライメント編

※「前輪ハブメンテ〜組立編」からのつづき

ドライブシャフト差し込み

まずシャフトが刺さるオイルシールの内側にグリスをたっぷり付ける。
ゴムリップのツバとツバの間のへこんだ部分(グリス溜り?)もグリスで満たす。

ナックル内側の三箇所のこすれ跡は何だろう?ステアリングの切れすぎで当たっているのかな?

ナックル内側にモリブデングリス注入して、、、

均等にのばす。

厚さは5mm程度。中心のシールに付かないように。
でも付いていない箇所があると錆びるので、内周全面にまんべんなく。

そしたらドラシャを差し込む。

シールを傷つけないようにゆっくりと。
デフのスプラインには、シャフトの先で探ったら、あっさり入りました。
(ところが左前のドラシャは、なかなか入りませんでした。左前ドラシャは長さが長いので、どうしても先端が重さで下がってしまい、スプラインにうまく刺さりません。壊れたのかと焦りましたが、手前側を力込めて押し下げて、ようやく刺さりました)

結局グリスは、片輪(CVジョイントとナックル内側)で、400gジャバラ一本使いました。

スピンドル取付

内側のニードルベアリングに付いている古いグリスをパーツクリーナーで洗い流す。

ベアリングの痛み無し。

オイルシールを被せて、、、

部品番号はコレ↑

この金属部分を叩いて打ち込みます。

打ち込みOK!

このシールにも、周囲に漏れ防止のスプリングが付いていました。

グリスまみれにする。

筒の内側もサビ防止でまんべんなく。

ドラシャに差し込む。

バックプレート取付

バックプレートは汚れを落としてシャーシブラックを塗りました。

スピンドルと共締めして固定。

34N/mで締める。

さらに小プレートも

締める。

手ルクです。

ドラシャ先端の溝に3個のリングをはめるのですが、2枚入れたら3枚目が入る溝幅が足りなくて焦りました。
でも、ドライバーで軽くこじったら、ドラシャが少し手前に出てきて、、、

無事入りました。

グリスまみれにする。

ABSセンサー取付

何時付けても構わないのですが、この辺で付けておくことにしました。
今度は固着しないように、シリコングリスをたっぷり塗って、、、

締める。

規定トルク18〜24N/m。

ハブベアリング掃除

じつはまだやってなかったのです。
早くやり過ぎてサビたりホコリを被るとマズイので、取付直前にやることにしたのです。

パーツクリーナーで古いグリスを洗い流す。

きれいになったら、、、

コロに損傷ありませんでした。

ホコリ被る前にとっととグリスまみれにします。

ハブ内のベアリング外輪も損傷無いので、、、

グリス塗って、、、

内輪入れてグリスで密封する。

その上にオイルシールをたたき込みます。
部品番号はコレ↓。

ところがコレが上手く行かない。
コッチを叩けば、反対側が浮いて、いつまで経っても入らない。

どうしようも無くて、家中の丸い物を探したら、
雑誌のオマケの小型フライパンが、偶然にも同直径だったので、あてがって均一にたたき込む。

コレが無かったら無理でした。ありがとうBe-PAL。

ある程度入ったら、最後は六角ボルトの頭の平らなところをあてがって叩いて、ツラまでキッチリ入れる。

ハブの裏側の小ベアリングも入れてグリスで密封。

コチラ側には、シールはありません。

ハブ取付

スピンドル外周にグリス塗って、、、

結局最後は指です。手袋とかヘラとか、かったるくてやってられません・笑。

ハブを押し込む。

無事に入ったら、、、

抜け落ちないように、ハブナットを突き当たりまで軽く締めておく。

ブレーキ取付

ブレーキトルクメンバーボルト(パッドが付いている方)を締める。

109〜146N/m。

キャリパー取付ボルト(ピストン側)。

39〜52N/m。

アライメント調整

作業もいよいよ大詰め。仕上げです。
ハブベアリングの芯出しをして、適正トルクでハブナットを締めます。

まずホイール付けて、、、

ハブナットは、タイヤがぐらつかない程度までそれなりに締めればOKです。

自作SST取り付けて、ハブナットを175N/mで締め付けて、ベアリングの芯出しをします。

ちなみに規定トルクは167〜196N/m。175で締めたのは、これ以上締めると自作SSTが壊れるかもしれないから。

タイヤを前後に数回回してガタや引っかかり、違和感が無いか確認。

175で締めると、さすがに回転が重いです。

問題無ければ、一旦ゆるめる。ナットがほぼフリーになるまでゆるめる。

そして改めて規定トルク3〜5N/mで締めて、、、

タイヤを手で回転させながら、ハンマーでタイヤ周囲をゴンゴン叩く。前後に回しながら叩く。
叩くことでベアリングに衝撃を与えて馴染ませるそうです。
175N/mの時と比べて、タイヤが軽く回ります。

写真ではタイヤが止まっているように見えますが、動いているのです。(でも本当は止まっています。ハンマー振って、回転させて、シャッター切るのはムリです・笑)

そしたら再度、3〜5N/mで締める。叩いて馴染ませたことで、もう少し締まるかもしれません。
もし更に締まるようならば、再度叩いて馴染ませて、再度締める。
もうこれ以上締まらなくなるまで、叩いて締めるを繰り返す。
でも3〜4回も繰り返せば、充分だと思います。(それ以上ヤルと、だんだんバカらしくなってきます・笑)

ゆるみ止めワッシャ取付

ハブナットにゆるみ止めワッシャを重ねて、二本のネジで固定します。

でも多分、ワッシャの穴と、ハブナットのねじ穴の位置が合わないと思います。
合わないときは、ハブナットをゆるめる方向へ少し回して位置を合わせるそうです。でもゆるみすぎる場合は、ほんの少しなら締める方向に回しても構わないそうです。
3〜5N/mで締めたのは何だったのだろう?と思う瞬間です。

フリーホイールハブ取付

最後にフリーホイールハブを戻して終わりです。
今回、このフリーホイールハブだけは、分解出来ませんでした。
YouTube視ると、マニュアルハブの分解動画は沢山あるのですが、
デイビーに付いているAUTOハブの分解動画は見つからなかったので分解断念。

一応、見える範囲の汚れたグリスを拭き取って、新グリスを詰めて、、、

はめあわせ部分に、ほんの少し液体パッキン。

今回、日産サファリY-61最終型の前輪ハブを分解して思ったのは、このフリーホイールハブだけでなく、キングピン、スピンドルなど何処にも防水の為のガスケットや液体パッキングが使われてなかったこと。
製造原価削減なのか、どうせ何しても入ってくる水ならば抜けるようにしてあるのか、、、わかりません。

最後に6本のボルト締めて終わり。

規定トルク50〜68N/m。

音も無くクルクルと、しっとり回るようになりました。
スゴくよくなりました。
それから最初に抜いたデフオイルも忘れずに入れました。

祝・前輪ハブメンテ完了。パチパチパチ!