初めて見たオーバーランダー

オーバーランダーと言う言葉を知っていますか?
自分の車を自分で運転して国境を越えて旅をする人やそんな旅のスタイルを表す言葉です。

周囲を海に囲まれた日本では、そのような旅をする人は極めてまれですが、地続きで他国と接しているヨーロッパのような国々では、結構一般的な旅のスタイルのようです。
例えば夏のバカンスに、一、二ヶ月かけて自分の車でヨーロッパ各国を巡ったり、アフリカ大陸まで脚を伸ばしたりして思い思いに旅を楽しんでいるようです。

ぴーがそんな旅のスタイルがあることを知ったのは、今からおよそ20年前、まだ30歳代の中頃でした。
仕事でアフリカに3ヶ月ほど行った時、ある日現地で、荷台にキャビンを載せた年季の入ったピックアップトラックを運転する初老の白人男性を見かけたのです。

運転席の窓から半分出した日焼けした腕でハンドルを握る彼からは、自力でここまでやってきたという自信と、自由な旅を楽しんでいる充実感、そしてどこまでも行くぞという強い意志が感じられました(要するにカッコよかったんです)。細かい日程に縛られて動いている仕事の身の自分とは違う充実した時間が、彼には流れているようでした。

一度そんな人を見かけると、あとは何度も見かけるようになりました。

スコップやロープなどオフロードギアを満載した勇ましい4WDに乗った人。
豪華な大型キャンピングカーで旅する子ども連れのファミリー。
飼い犬を助手席に乗せたワンボックスの人。

皆それぞれのスタイルで旅をしていましたが、彼らから共通して感じられたのは、誰もが自由にどこにでも行け、且つちょっとした冒険に満ちた旅を満喫しているようだと言うことです(要するに楽しそうだったんです)。

“自分もいつかそんな旅をしてみたい” 

そう思うようになりました。

その後、妻のぱーと結婚し、ある時二人で行ったアフリカのケニア。
野生動物が棲む広大なサハラを4WDで走る旅。運転手付きの旅ではありましたが、妻のぱーは道なき道を自由に走る4WDの魅力にノックアウトされたようでした。4WDはこんな場所を走るための車なんだと実感したようです(上の写真はその時のぱー)。

帰国後、早速日産サファリを購入したぴーぱーでした。

そしていつしか “この車で世界を二人で旅しよう” それが二人の目標になりました。
それから十数年。ようやく今その時が近づいてきました。

ケニアのマサイマラ国立公園のサファリツアーは、こんな車で野生動物が棲む自然公園を自由に走り回ります。
ドライバーのオフロードテクニックに大興奮のぴーぱー。
調子に乗ったドライバーが、ライオンもうろつくサハラのど真ん中でまさかのスタック。大ピンチ!!
でもこのくらいのハプニングがあった方が旅は面白い。