大変だ!クーラント漏れ〜5ホース全取っ替え

※「大変だ!クーラント漏れ〜4帰ってきたラジエーター」のつづき

ラジエーターだけ新しくしても、ホースが古いままでは、世界旅の途中でいずれクーラントが漏れ出すに違いありません。
いい機会なので、旅の安心の為に、ホースを全部新品交換することにしました。

と言っても、デイビーのラジエーターホースは、4年前に車内ヒーターとリヤヒーター関係のホース数本は交換したので、
今回はそれ以外を交換することにしました。これで全部交換したことになります。
でも数えたら、今回交換するのは、

12本もありました。

ホース交換なんて古いの抜いて、新しいの差せばいいだけだから、チャッチャとやれるかと思ったのですが、
車齢19年ともなるとそうは行きませんでした。
何故かというと、

ホース差し込み口がサビているから。

サビ取りしてると一日3本が限界です。
さらに、

手が入らない。届かない。

奥まったホースを交換するのは本当に大変です。何度か諦めかけた程です。
なので結局一週間以上掛かりました。

それでは作業開始!

これらが購入したホース、クランプ、ガスケット。

これで全部じゃありません。まだ届いていないのが倍はあります。

アッパーホース・ロアーホース交換

大物から手を付けます。
エンジンで熱せられた熱いクーラントをラジエーターに送るのがアッパーホース。
ラジエーターで冷やされたのをエンジンへ戻すのがロアーです。
大動脈と大静脈ですね。

右がアッパー。左がロアー。

まずはアッパーから。

アッパーを止めているクランプをウォータープライヤで摘まんでどけて、、、

ホースを手でひねったらあっさり取れました。

意外に根性無しですね。このホース。

さらにホースが刺さっていた受け口(なんて言うのか名前わかりません)も外します。

外そうかどうしようか迷いましたが、一番熱負荷が掛かる部分なので、合わせ目のガスケットも交換したかったので、思い切って外しました。

外してみたら、ホースが差さる部分はサビでガタガタ。

だからクーラントがにじんでいたのか、、、

早速ワイヤーブラシでガリガリこすって、、、

更に紙やすりでサビを落とす。400→800→1500番と磨いたら一応ツルツルになりました。

でも顕微鏡レベルで見ればガタガタ間違い無し。ホース差し込み時は液体パッキン必須だな。

さらにひっくり返して、エンジンとの合わせ面も、、、

それなりに何か付いている。

定規でこすってゴミを取り除き、、、

普通はオイルストーンで磨きましょう。

紙やすりで仕上げました。

さらにねじ込まれている水温センサーを、、、

一番熱い部分で温度計ってるんですね。
根元に青くクーラントにじみ跡。(もしかしたらネジロック剤の跡かも)

外して、掃除して、液体パッキン塗って、、、

戻す。

この部分、ガスケット無しだけど、これで漏れないのだろうか?少々不安。

エンジン本体側も、古いガスケットはがして、、、

爪で起こしてペリッとはがす。

同様に紙やすりの刑。

そうしたら合わせ面に液体パッキン塗って、、、

新品ガスケット挟んで、、、

28N・mで取り付ける。

なかなかいいゾ!

続いてホース差し込み口に液体パッキン塗って、、、

新しいホースを差し込む。

ホースの白い三角マークと、本体側の突起を合わせると、ホースがねじれ無く取り付けられると言うことらしい。

新品クランプで止める。

ホースの反対側はラジエーターのアッパータンクにつなぎます。
アッパータンクは新品なので、薄くシリコングリス塗るだけで、、、

塗るとホースが差し込みやすくなります。
ちなみにホースの外側にも塗って、クランプの締付力がホース外周に均一に加わるようにします。

バッチリ!

差し込んですぐは、グリスでヌルヌル滑って抜けそうでしたが、翌日になったら密着して動かなくなりました。

ロアーホース交換

アッパーだけで午前中が終わりました。午後はロアーです。
このへんから「これは時間かかるかも」と思い始める。

ロアーホースはコレです↓。受け口金具の中に入っているサーモスタットも交換します。

合わせマークが付いていました。戻すときはこの位置にしろってことだな。

クランプ外して、ピックツールでホースをはがす。

抜けた!

さらに受け口の、、、

ボルト3本ゆるめると、、、

結構奥で作業しにくい。

取れる。裏側にサーモスタットが貼り付いてくる。

トントンしたら取れました。

ホース差し込み口は、案の定ガタガタ。

ワイヤーブラシ&紙やすりの刑。

合わせ面も同刑。

ところがエンジン側がやっかいでした。

フチに残っていた液体パッキンがなかなか取れなくて、、、

まずはマイナスドライバーで削り落とす。

続いてワイヤーブラシ。

場所も奥まっていて、体勢がキツイ。

最後はヤッパリ紙やすり。

30分後。なんとかキレイになりました。

一応、合格レベル?

そうしたら取付です。
せっかくキレイにしたのに、早速液体パッキン塗って、、、

何年かしたら、またコレ取ることになるんだな、きっと。

新品サーモスタットを、、、

はめる。

この時注意したいのは、サーモスタットのポッチ付き穴を上にすることです。空気抜き穴です。
これを上にしないと、クーラントの空気抜きが上手くいかないらしい。
それにしてもポッチは何のために付いているのだろう?

で、受け口を取り付け、
アッパーと同じに、パッキン塗ってホース差し込みました。

トルクは同様に28N・m。
ぴーよしは、適正トルクが解らないときは、アルミ製エンジンブロックに直接ねじ込むボルトは、このくらいのトルクで締めています。ネジ径にもよりますが。

大物が終わったので、次は中小のホースです。

まずは大気開放タンクへクーラントを送るホース。
保護チューブが被さっているのですが、その中は真っ白。

ホース表面からにじみ出たクーラントが蒸発した跡でしょう。寿命ですね。

残りのホースはサビとの戦い。
全員紙やすりの刑。

刑執行前。
執行後。
前。
後。
前。
後。

アルミ配管はやすっても構わないと思いますが、鉄配管にやすると、表面のさび止めメッキもはがれてしまうので困りもの。でもやすらないと、既に付いているサビが取れないし、、、悩ましい。

最後にラジエーターに差さるATFホースも新品にします。

どうしてラジエーターにオートマオイル(ATF)が流れているのかというと(ぴーよしも最初疑問でした)、
熱せられたATFを、冷やされたクーラントの中を通して荒熱を取ってから、ATFクーラーに送るのだそうです。
つまり二段階冷却ですね。

今回の作業で若干減ったATFを補充しながらホースを戻します。
で、用意したATFはコチラ↓

日産サファリのATFは、日産純正マチックフルードJが指定されていますが、
amazonで調べたら、20L缶しか売ってなくて2万円弱もするので、今回はアイシン製にしました。
でも多分問題無いでしょう、、、と言うか信頼できると思いますよ。このオイル。

で、ATFの出入り口はこうなってます。

いきなりココにホースつないでエンジンかけても問題無いらしいのですが、
そうするとラジエーター内の結構な量の空気がオートマミッションに入ってしまいます。
それでもエンジンかければ、オイルが空気を押し出してくれるので大丈夫らしいのですが、
念のためラジエーター内をATFで満たしてからつなぐことにします。

まずオイラーにATFを入れて、、、

押しつけて注入!

ラジエーター内部で、もしINよりOUTの方が低い位置にあるのなら(冷やされたATFは下に溜まるからOUTは下に取付けられているのでは?と考えたのです)、低い方のOUTから注入した方がより多くの空気をINから追い出せますが(空気は上に溜まるから)、そんなことはすっかり忘れてINから注入してしまいました。

3分ぐらい注入したら、OUT側からATFが出てきたので、ここでストップ。

結局150ccくらい入りました。

すかさずホースをつなぐ。

もちろんOUT側もつなぎました。
ホースの中の空気は、ミッション側に先にホースつないでしばらく待つと、自然にATFが流れ出て来るので押し出すことが出来ます。

ところでこのATFホースですが、以前にも書きましたが、
車体の下のバンパー裏側にむき出しで空中を渡してあるのですが、
オフロード走ったときに、いかにも何かに引っかけそうで不安です。
まるで頸動脈むき出し状態です。

そこでデイビーでは、コルゲートチューブで保護しています。

まあ気休めですけどね。
本気でやるなら、市販の油圧ホースに交換して、もっと高い位置をはわせた方が良いと思います。

とここまで書いてきて何ですが、
実はラジエーターホース3本が交換出来ませんでした。
理由は、

手が届かないから。

写真でお見せするとコイツらです。

オイルクーラーを冷却するホースです。あと1本は、左のホースの下に隠れている。

写真だと何とかなりそうに見えますが、それは望遠で撮ってるから。実際はエンジンの下の奥の奥。
手で触ることは出来ますが力が入らない。ペンチやプライヤーでもつかめない。
上から下から、タイヤハウスカバー外して横からアクセスしようとしてもムリなので諦めました。
いつもカンペキな修理を目指しているつもりですが、カンペキって難しいですね。

なので買ってしまったけど、ムダになったホース3本(↓)。
ぱーにはナイショです・笑。

これらを交換しなかったことが、世界旅の途中で命取りにならなきゃいいのですが、、、

今回はホースなだけに長〜い作業になりました。

次回はようやくクーラント注入です。つづく