LTタイヤ ヨコハマ ジオランダーA/T G015 インプレ
少し前に履き替えた新タイヤ(↓)の印象を少し書いておきたいと思います。
ヨコハマタイヤ ジオランダーA/T G015 LT265/70R17 121/118です。
ただし、あくまでもこれまで履いていたオンロードタイヤのブリジストンDUELER HL850や、
さらに以前に履いていたブリジストンDUELER AT694(現行商品の前の旧タイプ)との比較になります。
とにかく初めてのライトトラックタイヤです。
タイヤサイズの数字の前に付いている “LT” の文字が、Light Truckの略で、小型トラックの意味です。
これまで履いてきた乗用タイヤとは違い、荷物を積載する車用のタイヤです。
一口で言えば “業務用タイヤ” と言った感じでしょうか。
まずは適正空気圧の算出です。
ライトトラックタイヤ(以下LTタイヤ)は、乗用タイヤよりも高い空気圧で使用するようにできています。
重い荷物を積んでもタイヤがつぶれないようにするためです。
まず、どのくらいの圧にしたら良いかを計算して、その後乗り心地や燃費を勘案して、
多少の調整を行おうと思います。
適正圧の計算方法は、
まず日産サファリの純正サイズタイヤの荷重能力を調べます。
例えばコチラ(←グッドイヤーのHP)のページの表で調べます。
それによると、サファリの純正タイヤサイズは275/65R17で、指定空気圧は前輪200kPa、後輪220kPaなので、
前輪1050kg、後輪1120kgです。
つまり一つのタイヤに、前輪は1050kg、後輪は1120kgまで荷重が掛けられると言うことです。
そうしたら同じ荷重が掛けられるように、LTタイヤの空気圧を調整すればいいのです。
ヨコハマタイヤHPを見ると、各空気圧におけるタイヤ荷重能力が調べられます。
HPでは50kPa毎の数値しか書かれていないので、多少の割り算をして間の空気圧を算出します。
結果、今回買ったタイヤのサイズLT265/70R17 121/118では、
前輪320kPa、後輪350kPaで同じ負荷が掛けられます。
つまりこれが適正空気圧と言うことになります。
では早速その空気圧に調整して、、、
ドライブへGO!
以下、その印象です。
■乗り心地
やはりLTタイヤだけあって、DUELER HL850やAT694よりも硬い印象です。多少ゴツゴツ感があります。
アスファルト路面の細かい振動が伝わってきます。
逆に大きな段差は、扁平率70のタイヤの厚みでいなしてくれるような印象です。
、、、と思ったのですが、先日今どきの乗用車の助手席に乗る機会があったのですが、
今の乗用車の乗り心地ってすっごく硬いですよね。特にプリウスのようなハイブリッドとかのエコ車って。
もうアスファルトの細かいゴツゴツまでもろ伝わってくるし、ゴロゴロゴーとロードノイズもすごいし。
車体のムダな上下動を抑制することで、それに消費されるエネルギーを抑えて、燃費向上させているのでしょうか?
それに比べたらこのタイヤを履いたサファリは、はるかに静かでソフトな乗り心地です。
感じる振動やノイズはプリウスとかの半分以下、いや十分の一かな。
これはサファリのサスペンションの柔らかさに依るところが大だと思うのですが(サファリに初めて乗った時は、この車はまるで、船のような乗り心地だと思いました。そのくらいソフトです。今は慣れましたが)、
おそらく他のクロカン四駆のサスも同じように柔らかいのでは?と思うので、
クロカン四駆がこのタイヤ履いた時は、それまでよりは多少硬くなったと感じるかもしれませんが、
今どきの乗用車よりは、ゼンゼン柔らかくて静かです。
ちなみに重量的には重いタイヤですが(23.1kg/本)、ハンドリングのドタバタ感はありません。
以前、オンロードタイヤからブリジストンのAT694に履き替えたときは、大きい靴を履いた時のようなドタバタした感じを受けたのですが、今回は感じませんでした。
■ロードノイズ
ロードノイズは増えませんでした。DUELER HL850と同じです。静かなタイヤです。
以前、ブリジストンのAT694に履き替えたときは、ゴーというロードノイズがしたのですが。
上で書いたとおり、サファリが履いた場合は、今どきの乗用車よりも静かです。
■グリップ性能
タイヤが硬いためか、アスファルトへのグリップ力は減ったような。ハンドルが少し軽くなくなりました。
雨の日は、さらにもう少しハンドルが軽くなります、、、不安に感じる程ではありませんが。
■燃費
最近は、下みち専門になったので(笑)、以前のように高速道路での燃費比較はできませんが、地方の信号少なめ渋滞無しの一般道ではギリギリ6km/L代です。
オンロードタイヤのDUELER HL850でも一般道では7km/L程度だったので、若干は悪化しましたが予想よりも遙かに良い数値です。
(キチンと計算すると1÷7=15%の悪化となります。もちろん信号だらけの市街地を走れば、すぐ4km/L代になります。ただしこれはタイヤのせいでは無く、サファリがもともとそういう燃費の車だからです。どのタイヤ履いても大差ありません)
※以前の高速道路での燃費比較の記事は↓へ、
■悪路走破性
DUELER AT694で未舗装路を走ると、アスファルトの上では感じられなかった、タイヤが地面にしっくりとグリップするような手応えと安心感が感じられ頼もしく思えたのですが、このタイヤではそれは感じられません。アスファルト路と同じように若干硬めな印象のままです。
ただし本格的なオフロードは走っていないので、正確なところは解りません。
■その他
じつは空気圧をもっと高くしたらどうなるか実験してみました。前輪350、後輪400kPaです。
これはさすがに少々圧が高すぎるようで、硬いゴツゴツ感が増して、お尻やハンドルに常に細かい振動が伝わってきて疲れます。(でもプリウスの十分の一)
また駐車時の切り返しなど低速でハンドルを大きく切ると(一回転以上)、あるところでハンドルが急に軽くなります。
これはおそらくハンドルを切ると、前輪が少し横に倒れるので、タイヤの接地面の一部が地面から浮いて離れてしまうからではないでしょうか?これまで履いていたオンロードタイヤは柔らかかったので、タイヤが横に倒れても、タイヤがゆがんで地面から離れることが無かったのでは?と思います。
さらにこの圧で、標高1500mの場所へ行ったところ、大気圧が減るので(標高0mと比較して約15%減る)、さらに硬くなりました。もうパンパンな感じです。そのせいでグリップはさらに減った感じがしました。濡れた路面ではさらにです。またその状態で、少し荒れた路面を走ると、キックバックが強すぎてハンドル操作がしづらくなります。やはり空気の入れすぎは危険です。
これまで履いてきたタイヤでは、高地に行っても乗り心地が変わるようなことはありませんでした。やはりLTと乗用タイヤは違うのですね。
あっ、それから小石をよく噛みます。
溝が幅広で深いからでしょうか?
大小問わずしょっちゅう噛んでくれます・笑。
最後に空気圧微調整
適正圧の前320、後350kPaの状態で車泊の荷物を満載にしたら、
後輪が若干つぶれ気味になりました。積載重量に対して後輪が圧不足のようです。
そこで後輪だけ380にしたら、前後同じような見た目になりました。つぶれが減れば、燃費も少し改善するかも。
つまりこれがデイビーにとっての適正空気圧かと思います。
と言うことで、前320、後380kPaに落ち着きました。
前を300くらいまで下げれば、ハンドルに伝わるゴツゴツがもう少し減って、より快適になるかもしれませんが、
急ブレーキ踏んだときにタイヤがつぶれて制動距離が伸びると危険なので、
しばらくこれで様子を見ることにします。
■結論
乗用タイヤに比べると、乗り心地、ハンドリング、グリップ、走破性、燃費、、、どれを取ってもあまり良い点が見つからなかったLTタイヤです。でも今回しばらくLTタイヤに乗ってみて、このタイヤはそう言う事をどうこう言うタイヤでは無いと言うことがよく解りました。
LTタイヤを、これら乗用タイヤと同じモノサシ(↑)で評価してはいけません。何故ならLTタイヤは目指している方向が違うからです。
LTタイヤは人を運ぶのではなく、仕事で荷物を運ぶためのタイヤです。なので荷物を積んだ際の耐荷重性や信頼性、ロングライフ性能で評価すべきタイヤです。
間違ってもこのタイヤで峠のワインディングロードを攻めたり、最難関のオフロードコースを走破しようとして、その性能に満足できなかったからと言って文句を言ってはいけません。
だからそれを解っている人だけ、荷物を運ぶために作られたその性能が欲しい人だけが履くべきタイヤです。
そうでない人は、乗用タイプのA/Tを選ぶべきです。ジオランダーにも乗用タイプのA/Tがありますからね。
実際、車泊装備を満載した状態で走っても(ほぼ最大積載量一杯)、根を上げること無く、文句一つ言わず、黙々と回り続ける安心感を不思議と感じるのですよ、このタイヤ。乗った距離が増えるほど、信頼感が増すのです。
つまり結論は、
お遊びで履くタイヤではありません。
ゴツい見た目だけにあこがれて買うと後悔しますよ。きっと。
では、荷物を満載して過酷な道を何万キロも走るオーバーランダーにとって、このタイヤはどうかと言うと、
頼りになるいいタイヤだと思います。多分。
ロングライフ性能次第ですが、、、それはこれから検証です。
まあ、オーバーランダー旅も “お遊び” ですけどね・笑。
ぴーぱー夫婦の だんなのぴー:車担当。
四駆、旅、登山、星、温泉、お遍路、DIY、野菜づくり、マグロ好きの50代。別名マグロよしのり。2020年3月退職。