貨物船 手配日記2
車のコンテナ船輸送の制度的なものはおよそ見えたので、いよいよ船会社探しの開始です。
車を船で送るには、
日本通関→日本乙仲→ (コンテナ船輸送) →ロシア乙仲→ロシア通関
の順番で手続きします。
“乙仲”(おつなか)とは、車のコンテナへの出し入れと、そのコンテナの貨物船への積み降ろしをしてくれる会社です。戦前の言葉で、今は正式には “海貨業者”(英語ではforwarder)と言うそうですが “乙仲” の方がその業界では通りがいいそうです。乙仲が通関や船手配もまとめて請け負ってくれる場合もあるでしょう。
また大手運送会社なら、日本通関〜ロシア通関まで全部やってくれる場合もあるかもしれません
なお車に積んである荷物の通関も忘れてはいけません。コレ重要です。
空荷の車だけ運んでも、旅ができませんからネ!
■上組境港支店
日本側の手配をどの会社に頼むかがモンダイです。
最初にコンタクトしたのは、栃木県にある橋○通商。メールを送ったのですが、「ロシアへの輸送は取り扱っておりません」とのお返事。残念!
次は、株式会社 上組(Kamigumi Co.,Ltd.)にコンタクトしました。
日本の大手物流会社です。その境港支店。これまで境港→ウラジオ間を運航していたDBSフェリー(2019年11月末から運休)に積まれた日本人オーバーランダーの車やバイクの手続きを数多く扱ってきた支店です。
ここに頼めば全部やってくれるかも、、、淡い期待を持って電話しました。TEL: 0859-45-8707
結果、、、日本乙仲とコンテナ船手配は引き受けていただけました。
しかし、日本通関、ロシア乙仲&通関は自力で手配してくれとのこと。
それでも第一関門通過です。
上組ご担当者によると、境港→ウラジオのコンテナ船は週二便ある。
釜山経由なので、ウラジオ着は出航後7〜10日後。
出発が4月末〜5月初旬予定なら、船の予約は3月後半になる。
車と荷物は自力通関して、7〜10日前に上組に預けて欲しい。
とのことでした。
その後、メールでのやり取りを続けています。
ちなみに気になるお値段は、
乙仲費用 7〜8万程度
コンテナ船費用 15〜20万程度
カーフェリーよりは高いです。さらにぴーぱーの “日本→ウラジオの航空券代” も別途かかります。旅のスタートから手痛い出費。
電話を切って感じたのは、やはりオーバーランダー車の扱いが経験豊富な会社に頼むのが一番楽と言うこと。
経験の無い会社に頼むと、一から説明しなければならなかったり、それはできるかどうか解らない、調べて返答する、できない、不可能だなど言われて話しが前に進みません。
また電話口に出た方が、その分野に詳しいかどうかにもよります。でもどんな方が電話に出るか、これはもう運しかありません。(その点、上組境港支店は、ウラジオ行きカーフェリーの手続きをこれまで行ってきただけあり、話が早くて助かります。じつはもう一社電話したのですが(某大手運送会社)、その時は苦労しました)
■ロシア乙仲&通関 Links, Ltd.
ロシア乙仲探しは緊張しますね。なにしろ英語のやり取りですから。
またロシア通関も自力ではやりたくないところ。ここは乙仲&通関をまとめて請け負って欲しいのが本音。
で、その会社ですが、いろいろなHPの情報によると、ウラジオには乙仲会社は2社しかないそうです。そしてDBSフェリーで行った人はほとんど全員Linksという会社のユーリ(Yuri Melnikov)という人にお世話になっているようです。
LinksのHPを見ると、この会社はオーバーランダー車の海運を手広く行っている会社のようです。ギャラリーページには、これまで扱った世界中のオーバーランダー車やバイクの写真が多数掲載されています。
DBSフェリーで発着する車以外にも、各国から(または各国へ)発着する外人オーバーランダー車の輸送も行っているようです。
ユーリはオーバーランダー界ではチョットした有名人かもしれません。
LinksのHPには、申し込みフォームのページがあります。
そこに必要事項を記入して、かつメッセージ欄に下記の英文を入力して送信しました。
拙い英文でお恥ずかしい限りですが、参考になればと思いここに掲載します。
ちなみにこの英作文に、ぴーぱー二人がかりで一日かかりました・笑。
Dear Links Ltd
Hello
My name is Peeyoshi(←勿論本名を記入しました・笑), Living in ○○○○ City in JAPAN.
My wife and I are going to Russia with our own car (NISSAN Patrol) in May 2020.
We will send our car by a shipping container on freight vessel (not a DBS Car-Ferryboat) from Sakaiminato-Port in JAPAN to Vladivostok (We two are going to fly to Vladivostok from JAPAN)
Kamigumi Co., Ltd Sakaiminato-Port branch is now searching a freight vessel for us.
Our expected departure date will be from the end of April to early May.
So we are now looking for a forwarding and a Customs broker agent in Vladivostok port.
Is it possible for your company to do these operations (unload our car from the vessel and do every customs procedure), when our vessel arrives in Vladivostok port.
And also we need costoms clearance of goods in our car, such as car spare parts, our traveling equipments, living necessaries, etc.
I would like you to arrange a mandatory vehicle insurance, too.
We are waiting an email from you.
Sincerely yours
Peeyoshi
返事は果たしてくるのでしょうか?
ドキドキ、ソワソワして待ちました。
返事くれるかな?無視されたりして。そもそもメールチェックしてなかったりして、、、いろいろな不安が頭をよぎります。
しかし翌日ユーリ本人から返事が来ました!
ちなみにぴーがメッセージを送信したのが午前10時。
返事が来たのが翌朝8:40。
朝早くのメール、ユーリさんなかなか働き者ですね!
してその答えは、
We can be your agent in Vladivostok.
(ウラジオストクでのエージェントを引き受けます)
やりました!最大の関門突破です。
メールには、手続きに必要な物として、
○車の写真:シャーシナンバーまたはVINナンバー、ナンバープレート、車両全景、コンテナナンバーと車が一緒に写っている積込み時の写真。
※VINナンバーとは、世界共通書式で書かれた車体番号。日本で販売された車は、VINではなく日本独自の車体ナンバーが刻印されているのでVINナンバーは無い。
○パスポートコピー
○ロシアビザコピー
○車の登録証書コピー
○B/Lのコピー(船荷証券と言うモノ。上組が作製してくれるハズ)
が必要と書かれていました。
予算は、乙仲と通関費用で約900USD。車の保険が100〜170USD(車の馬力(←排気量の間違い?)によって変動)とのことでした。
ちなみにメールには、「送って欲しい写真の例を添付するので見るように」と書かれていましたが、添付ファイルが見当たらなかったので再送してもらいました。
ユーリさん、もしかしてオッチョコチョイかもしれません(失礼!)。
あとは日本通関です。
これについては既に境税関支署におおよそ聞いていますが、近日中に再度電話して詳細確認予定です。
ぴーぱー夫婦の だんなのぴー:車担当。
四駆、旅、登山、星、温泉、お遍路、DIY、野菜づくり、マグロ好きの50代。別名マグロよしのり。2020年3月退職。
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