北海道キャンプ旅行 風の夜

北海道でのキャンプ泊も、いよいよ最終日となりました。この後は、旅館に三泊して帰ります。富良野から走って道南の渡島半島の日本海側の厚沢部町(あっさぶちょう)にやってきました。
道沿いに風力発電風車が沢山立っているのが印象的なエリアです。

「このあたりは風が強いんだなあ。石油に頼らないのは良いことだね」などと人ごとのように思いながら運転してやってきたのは、厚沢部町緑町 レクの森キャンプ場。

利用料無料なのに水洗トイレがきれいなキャンプ場です。(翌朝、トイレ掃除の方が来たので、おそらく毎日掃除してくださってる)

今宵の安住の地を見つけたぴーぱーは、早速夕食の準備に取りかかります。今日は、地元スーパーで買った、“めばる”と言う魚を焼くのと、北海道産ポークを野菜と焼きそばで炒める予定です。キャンプ泊も四泊目になると手慣れたもので、手際よく二人で準備に取りかかります。

ところが準備をしていると、にわかに風が強くなってきました。
スーパーの袋から食材を取り出そうとしても袋が風でビラビラしてうまく取り出せません。カセットコンロの炎も揺らいで全然加熱しません。横に置いたラップやティッシュは飛んでいくし、なにより強風に吹かれてこっちの冷静な思考回路もぶっ飛んでしまいます。魚や肉に塩コショウで下味をつけるとか。肉を先に炒めるとか、魚焼き網を加熱してから魚を乗せるとか、ブログ用の写真を撮るとか、細かいことなんてとてもやってられません。

写真はその時にかろうじて撮った一枚。写真には風が写らないのが残念ですが、とにかく必死でとった一枚です。(なので全く画になっていない)

できた料理は、さんざんなもの。せっかくの魚も身が網に張り付いて裏返したときにバラバラに。肉炒めも全く味がしません。ビールの空き缶は飛んで転がるし、風と戦いながら必死で無言で食べて車内へ退避。

車のドアをバタンと閉めたとたん訪れる静寂。外で吹きすさぶ風が嘘のようです。狭いながらも車内は天国。守られた空間です。車内最高! フーと息をつくぴーぱー。ハッキリ言ってかなり疲れた夕食でした。

結局車内で飲み直し。暖かいカップヌードルに癒やされます。こんなキビシイ状況では、お湯を沸かすくらいが精一杯。お湯だけで食べられる素晴らしい食べ物を作ってくれた “萬平さん” に感謝。

この後、車内で缶ビールを飲んで結構盛り上がりました。キビシイ状況から解放されると、反動で人は盛り上がってしまうものです。

翌朝は、風も少し穏やかになりました。夜、降った雨も止んだようです。でも風にやられたぴーぱーは、朝食も適当にすませキャンプ場を後にしました。

キャンプ泊で雨がキツいのは想像つきますが、風は微妙です。このくらいの風ならなんとかなるんじゃないか?などと甘い考えでいると、とたんに強くなってきて、あらゆる物や、こちらの気力や思考も全てを一瞬で吹き飛ばしてくれます。たまに風が強くびゅーと吹くと、「もーヤメヤメ、全部ヤメーー! 撤収!!」と、発作的に叫びたくなります。
海外では、もっと強烈な気象状況があるでしょう。そんな中でも動じない冷静な精神を養うために、座禅修行でもした方がいいかもしれないと思うほどです。(やらないけど)

今回の教訓。
“発電風車がある地域は要注意”
“風を侮ることなかれ”

昨日と今日の走行ルート。
(昨夜は支笏湖畔で丸駒温泉旅館泊。宿の詳しいレポートは、ぱーのブログへ)