中の湯温泉旅館(中の湯温泉)

2018年7月訪問

今回ご紹介するのは、上高地の秘湯 中の湯温泉旅館です。以前から気になっていた宿ですが、なかなか訪れる機会がありませんでした。結構遠いし。

とはいえ、一度は行って確認しておきたい温泉の1つです。思い切って上高地エリアまで足を伸ばしました。

「中の湯」というバス停は何回も見ていましたが、実際に宿まで行くのは初めて。バス停からさらに山道を登って行くと、突然立派な建物が現れて驚きます。

公式サイトによると、1915年創業ですが、安房トンネル工事が原因の水蒸気爆発により、1998年に安房峠途中の現在地へ移転をしたそうです。

かなり山奥ですが、タクシーでやって来る人もいます。さすが人気温泉です。

中の湯温泉旅館の裏手が焼岳登山口となっているので、宿泊者は車を止めたまま登山に行って良いそうです(プランによっては下山後の入浴サービスあり)。また上高地バス停への送迎サービスも行っているので、車を止めて上高地散策にも行けるそうです。これは便利♪

でも、そのせいか駐車場は結構混んでます。

駐車場から建物を見上げた図です。

中の湯温泉旅館は、部屋からの眺めで細かく料金が分かれています。写真一番右側の、大きな窓が食堂。そして2F部分は、一番高いけど眺めが良い「かすみ」部屋だと思います。

駐車場の奥の建物はトイレなしの一番安い「焼」部屋ですが、じゃらんのプランには提供されていません。でも、見た感じ綺麗そうですよね?

試しに宿の方に聞いてみたら「それほど手入れしてないので、あまりオススメではありません」とのことでした。

それでは中に入ってみましょう。

駐車場から玄関までは、結構傾斜のキツい階段を登っていきます。

上から駐車場を見下ろすとこんな感じです。

玄関に到着。

中に入ると、広い玄関にズラーッとスリッパが並んでいます。

玄関入って左側に、明るいロビー。窓からは穂高連峰が見渡せます。

ロビーはまさに特等席で、一番高い部屋はこの上あたりに位置すると思われます。

囲炉裏の横には冷水、麦茶、そば茶が用意されていました。

「6:00〜22:00までロビーでWifiが使えます」と部屋の案内書に書いてあったので、フロントでパスワードを聞いて繋いでみましたが、、、、、恐ろしく遅いです。

疲れるのでやめました。

フロントでチェックイン手続き。高峰温泉同様、中の湯温泉旅館も日帰り入浴客が多いので、まずは宿泊予約していることを告げましょう。

ここで食事の時間を決めて、館内の説明を聞きながら部屋まで案内してもらいました。

 

お部屋

お部屋は2Fでした。

今回じゃらんから予約したのは

プラン名:祝 創業102周年!!【1泊2食付】大自然の中の一軒宿 中の湯通常プラン
部屋タイプ:穂高:2階 和室6畳 (Cタイプ)
平日泊:1人 / 12,960円(入湯税別)

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じゃらんのプラン設定の場合、同じプランでも部屋によって5段階もの料金設定に分かれているんです。

「穂高」という部屋が中の湯温泉旅館の一般的な部屋。今回選んだのは、その中でも下から2番目の料金プランの部屋でした。

玄関を入るとすぐに、明るい洗面所とトイレ。

部屋まで案内してくれた方は「ウォッシュレットが付いてない部屋もあります」と言ってましたが、ぴーぱーの部屋はウォッシュレット付きでした。

その奥に6畳の和室。

じゃらんの説明によると 穂高連峰に臨む部屋ですが、客室Bタイプほどの絶景部屋ではございませんとのこと。

確かに、建物の屋根が邪魔してます。

でも、翌朝はこのようにスッキリと穂高連峰を望むことができました・:*+.\(( °ω° ))/.:+

お部屋はご覧の通り、とてもキレイ♪ 6畳ですが、不思議と圧迫感もありません。

「冷蔵庫がなかった」という口コミを見かけましたが、ぴーぱーの部屋にはありました。

ぴーぱーより1つ上の料金Bタイプの部屋説明には、冷蔵庫はございません。館内には自動販売機をご用意しております。と書かれています。不思議です。

お茶セットとお茶菓子がありました。お湯ポットは保温タイプです。

お茶セットは朝の布団あげの際に片されるそうです。必要な方は、言えば新しいものをもらえます。

別注料理や飲み物のメニューもありました。

クローゼットの中に浴衣やタオル類が入ってます。

穂高棟の案内図です。

ぴーぱーの部屋は207号。下から2番目の料金なので、やや引っ込んだ部屋ですね。でも、天気が良ければ穂高連峰が見えますので、悪い部屋ではないですよ。

中の湯温泉旅館は秘湯を守る会の会員宿なので、秘湯を守る会のサイトからも予約できます。また、公式サイトにもたくさんのプランが掲載されています。

色々見比べましたが、どのサイトも微妙に違う内容のプランを掲載しているので、とても全てを比べることはできません。また、じゃらんからの予約の場合は秘湯を守る会のスタンプは押印されません。

ですので、秘湯を守る会のスタンプを優先するか、じゃらんのポイントを優先するかによっても予約方法が変わってきます。

それぞれご自分に合った方法で予約してください。

 

大浴場

館内を見学しながら大浴場に行ってみましょう。

1Fに降りて、案内に従って浴場の方へ進みます。

浴場前に自販機がありました。

ソフトドリンクの他にアルコールも売ってます。

アルコールの自販機は2つありますので、お好きな銘柄をどうぞ♪

この辺りに温泉分析書が掲示されていました。

源泉名は、中の湯温泉旅館の湯 源泉。源泉温度46.3℃、PH7.87の単純温泉-弱アルカリ性低張性高温泉です。

こちらは、やや違う内容。

源泉名は、中の湯(旧本館泉)。源泉温度53.5℃の単純硫黄泉-低張性中性高温泉です。加水あり。加温、循環、塩素なし。

もう1つありました。これが一番新しくて、正しそうな感じです。

公式サイトには「男性用風呂」「女性用風呂」として紹介されていますが、実際には男女入れ替えがあり、両方のお風呂を楽しむことができます。

と言っても、2つのお風呂はほぼ一緒。違うのは露天風呂からの眺めのみですので、まとめてご紹介します。

明るい脱衣所。

洗面台にはカミソリ、ティッシュ、ドライヤーが置いてあります。(女湯にはカミソリはなかったかも!?)

中に入ると、浴槽は2つ。

おそらく小さい浴槽が熱湯、大きい浴槽がぬる湯ということになるのでしょうが、それほど温度差は感じません。

茶色い湯の花が舞う以外は、あまり特徴のないお湯です。

単純泉?硫黄泉?どちらなのかよくわかりません。ほんのり硫黄臭もするし、川藻の匂いもします。

石鹸類は黒糖シリーズ。秘湯シャンプーも置いてありました。

チェックイン日に男湯だったお風呂の露天風呂からは、穂高が望めます。

写真には映ってませんが、屋根上にキレイに見えました。

こちらはチェックイン日に女湯だった方の露天風呂です。

公式サイトによると、この露天風呂からはかすみ岳と穂高連峰が見えるそうですが、よくわかりませんでした。

露天風呂は内湯よりぬるめ。2か所からお湯が供給されてますが、1つは内湯で溢れたお湯のようで、ぬるいです。

湧出量が少ないのでしょうか!?

それからチェックイン日に女湯だったお風呂は、清掃直後なのか塩素臭かったのも残念。一番新しそうな分析書には、清掃時のみ塩素を使用していると書かれていたので、そのせいかもしれません。

 

家族風呂

中の湯温泉旅館には、空いていればいつでも無料で入れる家族風呂があります。

入ってみると、狭いけどキレイな脱衣所。

浴槽はこの通り、お一人様サイズです。

洗い場も完備してますので、大浴場が混んでる時に静かに入るのには良いかも♪

卜伝の湯

中の湯バス停のすぐ近く、安房トンネル方面へ曲がる辺りに「卜伝の湯」と書かれた掘建て小屋(失礼)を見たことありませんか?ちょうど曲がり角付近で車を停めにくい場所なので、気にはなっていましたが、いつも素通りしていました。

あの卜伝の湯は、中の湯温泉旅館の施設だったんです。

「チェックインが遅くなり、卜伝の湯に入れなかったのが残念」という口コミを見ていたので、この機会を逃すわけには行くまい!絶対に入るぞ!!

ということで、13:00〜チェックイン可能な中の湯温泉旅館に13:30頃到着しました。チェックインと同時に予約です。

すると「はい、午後4時からの入浴が可能ですよ」との返事。やったー・:*+.\(( °ω° ))/.:+

部屋で改めて案内書を確認すると、卜伝の湯は下記の時間帯にしか入れないそうです。夕方は午後4時〜5時ですから、2組のみ。

皆さん、卜伝の湯に入りたければ、本当に早くチェックインしたほうがいいですよ!

無料で入れるこの卜伝の湯、なんと無料で送迎もしてくれるんです。

時間になったのでフロントへ行くと、送迎車に案内されました。ここはお客様用の駐車場から、さらに上がった建物の横です。お客様駐車場から玄関まで通常は階段ですが、足の悪い人などはここまで車で来て玄関へ行くのが良いかもしれません。

この奥に焼岳登山口があるようです。

それでは送迎車で出発!!

さっき車で登って来たクネクネ道を降りて着きました。

貸切時間は30分。ぴーぱーを降ろすと「横の売店で待ってますから」と言い残してドライバーさんは去って行きました。

恐る恐るドアを開けてみると、、、、まさに掘建て小屋の中!と言った風の脱衣所(失礼)。

そう、ここが脱衣所なんです。

ここで浴衣を脱いで、いよいよ洞窟風呂へと向かいます。

横はゴーゴーと流れる川。

階段を降り切ると、浴槽がありました。

もしかして、ここが中の湯温泉の源泉でしょうか?

昔はここに宿があったとか??

今はここから引湯してるとか???

肝心のお湯ですが、温度は適温。宿のお湯よりは温泉の匂いがするような気がします。

う〜ん、、、でも、入っていてもあまり楽しくないお風呂です、、、。

銀山温泉の能登屋旅館の洞窟風呂よりは、浴槽に入れるだけ良いですね。でも、特に入らなくてもいいような気もします 。

とても30分も入っていられず、写真を撮って戻ります。

外に出ました。

ゴーゴー流れる川の上の橋を渡って、

ドライバーさんの待つ売店へ。

せっかくなので、売店周辺をちょっと散策。

これが上高地へ向かう釜トンネルの入り口です。ここから先はマイカーは入れません。

その横に立つ、中の湯売店。

なるほど、宿泊者が無料で入れる16:00より前は、ここで一般入浴者を受け付けているんですね。

中を覗いてみました。「売店」というだけあって、飲み物を売ってます。

昔は軽食とかも販売してたのでしょうか!?

ようやく入ることができた卜伝の湯。特にオススメはしませんが(失礼)、中の湯温泉旅館に泊まったのなら、せっかくだからチャレンジしてみてはいかが!?

一人だと、ちょっと怖いかもしれませんけどね。

夕食

さて夕食の時間です。

チェックイン時に「今日は混んでるので二部制にさせてもらってます。17時半(確か)に食事処に来てください」と言われました。チェックインが13時半と早かったので自動的に一部に振り分けられたのだと思いますが、さすがに早すぎます。

「できたら二部にしてもらえませんか?」と聞いたところ、OK。19時からの夕食になりました。お食事処はフロントの右奥です。

手前右側には座敷がありましたが、

ぴーぱーは奥の椅子席に通されました。

すでに大勢の人が食事を始めていました。団体がいて賑やかです。

中の湯温泉旅館のお食事は、すべて板長の手造りです。

公式サイトより

お品書きもありました。

ドリンクメニューはこちら。

写真左から、先付けのこごみ白酢和え。奥が煮物、手前が香の物、お造りのサーモン。

中の湯名物「鴨なべ」。

臭みが全くなくボリュウム満点。

公式サイトより

生湯葉かに豆乳蒸し。

後から岩魚塩焼きと、

ぶっかけ蕎麦。

当館のそばはスタッフの手づくりそばです。
石臼で粉をひくところから開始しますので、香りがよいのが特徴です。

公式サイトより

あまり蕎麦に詳しくありませんが、美味しい蕎麦でしたよ♪

ご飯と、

しじみ汁。

デザートはスイカ。

一通りのものは揃っているし、高峰温泉よりはボリュームもあります。登山をしたり、上高地散策をして身体を動かした人には美味しい食事かもしれません。

でも、今日一日身体を動かしてないぴーぱーには、それほど有り難みを感じない内容でした。ごめんなさい、、、。

印象的だったのは、同じ山の宿でも高峰温泉の場合、スタッフは見るからにアルバイトっぽい若い人が多かったです。対して中の湯温泉旅館は、年配のベテラン風の人が多いなぁと思いました。

改めて秘湯を守る会の宿の案内文を読んでみると、従業員は「もとの宿屋じこみの人が多い」とのこと。納得です。

朝食

朝食は7時と8時、どちらにしますか?と聞かれたので8時を選択。時間になって食堂に行ってみると、ほとんどの人は食事を終えてすでに出発したようでした。

朝の配膳係りはアジア系外国人の女の子でした。

たどたどしい日本語で一生懸命説明してくれます。

豆乳に火を点けて、卓上で豆腐を作るんです!これ、初めてかも。

外国人女子が何度か蓋を開けて見にきてくれて、この位になったらOK。

ここは長野県ですが、奥飛騨周辺では朝食に必ず出てくる朴葉味噌。こちらは板長特製だそうです。

素朴な食事ですが、身体を動かさない日には十分です。

最後は誰もいなくなりました。

泊まった感想

ようやく訪れることができた中の湯温泉旅館。まずは「山あいの一軒宿」というイメージとはかけ離れたモダンな建物と、館内のキレイさに驚かされました。高峰温泉もある意味そうですが、中の湯温泉旅館は規模が違います。

温泉に関しては、あまり特徴のないお湯で少々ガッカリ。あの立地で温泉に入れる、ということに意義があるのでしょう。

そう何回も行ける場所ではないので、今回すごく天気が良かったのはラッキーだったと思います。おかげで宿自慢の眺望を堪能することができました。

穂高好きの方、また温泉好きの方、ちょっと山奥ですが一度訪れてみてはいかがでしょう?

可能であれば直前まで待って、天気が良いことを確認してから予約すると絶景を楽しめますよ♪