能登屋旅館(銀山温泉)

2018年6月訪問

今回ご紹介するのは、山形県尾花沢市にある銀山温泉 能登屋旅館です。

非常に有名な銀山温泉ですが、ぴーぱーは今まで行こうと思ったことはありませんでした。なので、どんなところなのか?また、どこの宿に泊まったらいいのか?もよくわかりません。

いつもはじゃらんで宿探しをしますが、ふと立ち寄った本屋で銀山温泉のガイドブックを手に取り、目に止まったのが能登屋旅館でした。外観からして、いかにも銀山温泉のパンフレットに載っていそうな宿です。

改めてネットで調べてみると、能登屋旅館は公式サイト以外からの予約は受け付けていないようです。しかも空室状況を見ると、週末は何ヶ月も先まで満室。平日も全て満室の月もあります。

幸いぴーぱーが泊まろうと思った平日は、まだ空きがあるようです。日にちも迫っていたので、直接電話して予約。初めての銀山温泉にやってきました。

口コミを読んで知ったのですが、銀山温泉の宿に宿泊する場合、車は温泉街入口の共同駐車場に停めるそうですね。能登屋旅館の公式サイトには

・お車でお越しの際には、温泉街入口の当館専用駐車場にお停めいただき、3~4分温泉街を歩いてお越し頂きます。
・お荷物等ございましたら、お電話(0237-28-2327)いただければお荷物だけですがお運びさせていただきます。

と書いてありました。

それがこの駐車場です。スペース的には、それほど広くありません。

車を停めて歩き出すとほどなく、JRのパンフレット等で見たことのある景色が現れます。

まず驚いたのは、温泉街の小ささ。まるで映画のセットのようです。道中はずーっと畑と田んぼだったのに、この一角だけ古い家が建ち並んでいるのは不思議な光景でした。

その温泉街の比較的奥の方に、今日の宿である能登屋旅館がありました。

正面入り口です。

中に入ります。

下の写真左手がフロント。名前を告げて、チェックイン手続き。お部屋に行く前に、フロント前のスペースで冷たい麦茶を頂きました。

宿に到着してから気付いたことですが、能登屋旅館は秘湯を守る会の会員宿です。

うっかりスタンプ帳を忘れてきたので、新しいスタンプ帳を作ってもらいました。スタンプを集めている方はお忘れなく。

 

お部屋

仲居さんが、丁寧に館内の説明をしながらお部屋まで案内してくれました。

ぴーぱーが予約した別館の部屋は、フロントがある本館とは渡り廊下で繋がった別棟になります。そのため、本館4Fでエレベーターを乗り換えなくてはなりません。

お部屋は別館2Fの “みちのく” でした。

玄関を入ると、部屋の手前のスペースに洗面台があります。

洗面台の引き出しにはドライヤーの他にも色々入ってます。

洗面台の横にはウォッシュレット付きトイレ。

奥に10畳の和室がありました。

今回予約したのは、別館山側客室です。本当なら温泉街を見下ろせる川側の客室に泊まりたいところですが、残念ながら川側の部屋は空室なし。また、せっかく能登屋旅館に泊まるんだから、登録有形文化財である本館が良かったですが、これも空室なし。

皆さん、一体何ヶ月前から予約しているのでしょうか?d( ̄  ̄)

能登屋旅館の料金は、季節や日にちによって7段階に分かれています!7段階ってすごいですよね!? 1番安いのが “通常料金” という種別ですが、見たところ “通常料金” で泊まれる日はほぼありません。ぴーぱーが宿泊した平日は、2名1部屋、2食付きで1人19,000円(消費税、入湯税別)でした。

予約の電話をする時、ネット上では別館山側の客室しか空室がありませんでした。でも念のため「川側の客室は空いてませんか?」と聞いてみましたが、やはり空きはないとのこと。別館山側客室も、最後の1室だそうです。

仕方なく、別館山側タイプをお願いすると「お一人様、税別20,000円になります」と言われたので「えっ!? ネット上では19,000円になってますけど!?」と言ったら、慌てた感じの男性は「確認します」と言って保留にされ「すみません、20,000円はお風呂付の部屋でした。風呂なしだと19,000円です」と言われたので「お風呂はいりません」と答え、税別19,000円で一件落着。

でもさっき「別館山側客室も最後の1室です」って言ってたのになぁ? と、やや腑に落ちないぱー。予約する時は、ちゃんと料金の確認をした方がいいですよd( ̄  ̄)

話が長くなりましたが、お部屋です。2010年にリニューアルした別館は、とってもキレイ♪

窓からの景色はこの通り裏山ですが、仕方ありません。

広縁の端にミニキッチン風のシンクが付いてるのもステキ♪ そういえば、瀬見温泉の観松館の部屋にも同じものがありました。この辺りの流行かもしれません。

緑茶の茶葉とほうじ茶のティーパックあり。

冷蔵庫は空。ルームサービスで飲み物を頼むこともできますし、館内の自販機の場所も地図付きで書かれています。

シンクの横の押入れ内に、金庫と消臭スプレー。

押入れ下の引き出しの中に、浴衣やタオルが入ってます。

テーブルの上には小物入れとお菓子がありました。

別館の部屋の特徴は、このように天井が高いこと。

公式サイトのお部屋案内には

天井が高く開放感のあるお部屋でおくつろぎ下さいませ。

と書かれています。確かに天井が高いと広々感じます。でも、天井が高いと声が響くんです。 ついつい、ヒソヒソ声になってしまいます。

それともう1つ、照明が暗いのも気になりました。和室なのに、外国のホテルやお洒落なシティホテル並みに照明が暗いんです。暗い部屋でヒソヒソ話してると、、、、眠くなってきます。

そして最大の欠点はWifiがないこと。これは予約の時点でわかっていましたが、Wifiはロビー周辺でしか使えません。もしかしたら、ロビーの上あたりに位置する本館の共用スペースなら使えるかも!? と試してみましたが、ダメです。

共用スペースには隣の宿のWifiが飛んできてます!『なんとかパスワード解読できないかな!?』と思いましたが、これもダメでしたd( ̄  ̄)

 

大浴場

大浴場は、本館と別館の連絡通路になる4Fにあります。

本館の4F=別館の1Fなので、ぴーぱーの部屋からはエレベーターか階段で1つ下におりることになります。

大浴場に行く前に、本館を見学してみましょう。

本館と別館を繋ぐ渡り廊下の途中に、

自販機コーナーがあります。

アルコールの値段はこんな感じです。

さらに進むと談話室。

なんとなく、下呂温泉の湯之島館を思い出させる部屋です。

この談話室は能登屋旅館のほぼ中央にあり、外から見ると、この高い天井部分が時計台のように見えます。

本館の最上階にある談話室からは、温泉街が見下ろせました。

別館に戻って、大浴場入口です。

大浴場は夜12:00~翌朝5:00の間は利用できません。

分析書が掲示されていました。

源泉温度は63.8℃、ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉。採水位置が「足湯注湯口」というのは面白いですね。そもそも、足湯なんてあったでしょうか!?

手書きの温泉表示は瀬見温泉の観松館と一緒。源泉名は協組2,3,6号。加水、加温、塩素なしの掛け流しです。素晴らしい・:*+.\(( °ω° ))/.:+

大浴場前には湯上がり処があり、水サーバーが置いてありました。

まずは女湯からご紹介。

こじんまりした脱衣所。小さいけど鍵付きロッカーもあります。

化粧品完備の洗面台。クレンジングもここに置いてあります。

脱衣所も天井が高いです。この宿の特徴なのでしょう。

浴室の入り口に秘湯シャンプーが置いてあり、自由に使えます。いわゆるシャンプーバーです。

同じく秘湯を守る会鶴の湯は、全浴室にこの秘湯シャンプーが置いてありました。

それほど広くない浴室。

4人が限界だと思う浴槽。

お湯は瀬見温泉の観松館と同じく、やや白く濁っています。加水していないのでお湯の濃さを感じますが、チョロチョロしか源泉が投入されていないのでフレッシュ感がありません。 源泉温度が高いので仕方ないですね。

浴槽は小さいけど、洗い場はたくさんあります。

洗い場には洗顔料も置いてありました。

露天に行ってみましょう。

露天は木造りの浴槽ですが、お一人様サイズ。

夏は緑、冬は雪見風呂とか楽しめるかもしれません。

続いて男湯をご紹介しましょう。

女湯と全く同じ脱衣所。

こちらは男性用化粧品完備。

左右対称の浴室。

露天風呂です。

露天のお湯の方が、内湯より透明に見えます。

 

展望露天風呂

公式サイトには詳しく書かれていませんが、能登屋旅館には予約制の展望露天風呂が1つあり、無料で入れます。チェックイン時に希望時間を聞かれたので15:20~から予約しておきました。

展望露天風呂への通路は “ぴーぱーの部屋がある別館2Fの奥にあるので便利♪” と思いましたが、利用前と利用後にフロントに鍵の受け渡しに行かなくてはならないので、結局はたくさん歩くことになりました。

フロントに鍵を取りに行って、いざ展望風呂へ向かいます。

貸切時間は40分。各所に「時間厳守」と書いてありました。

まずはこの鉄扉を開けると、

非常階段のような階段があり、

再び鉄扉があります。

扉を開けると今度は明るい階段。階段は全部で85段あるそうです。

それを登り切って、ようやく外への出入り口があります。

ここでスリッパから外履きに履き替え、

さらに坂道を登ります。

この展望風呂、冬は閉鎖だそうです。

ようやく着きました!

鍵を開けて中に入ります。

広い脱衣所です。ここの洗面所にはアメニティは置いてありません。

浴室に行ってみましょう。

浴室は屋根付きで “半露天風呂” 。シャワーはあるけど石鹸類はありません。

公式サイトには

ここからは白銀の滝を望むことができます。

と書いてありますが、、、、見えませんけど?(´・ω・`)

ぴーぱー的には、この展望風呂に入りにくるメリットはあまり感じられませんでした。

貸切時間の40分の中には、お風呂への移動時間も含まれています。やけに「時間厳守」と書いてありますが、もしかしたら遠すぎて、思いがけず40分を超過してしまう人が多いのでは?

公式サイトを見ても、この展望風呂の利用時間が書いてないのでわかりませんが、遅い時間やお酒を飲んだ後はあまりオススメできません。

帰りの坂道から、温泉街の旅館の “屋根” が見えました。

洞窟風呂

能登屋旅館には、地下にもう1つ貸切風呂があります。こちらは予約なし。空いてればいつでも入れるお風呂です。(夜12:00~翌朝5:00は閉鎖)

本館を見学しながら行ってみましょう。

奥に見えるのは、本館2Fの共用スペースです。3Fにも同じようなスペースがあります。

ここでWifi試したけどダメでした。

下に降りたせいか、温泉街の様子がよく見えるようになりました。川側の部屋に泊まると、部屋からこの景色が眺められるのでしょう。

1Fに降りてきました。

写真奥がロビーです。

下の写真の右奥に進むと、

ストーブが置いてあるロビースペース。

その左奥に、お土産売り場。

お土産売り場横の通路をさらに進むと、洞窟風呂の入り口がありました。

「空」の札を「入浴中」に替えて、中に入ります。

入るとすぐに階段があり、脱衣スペースはその階段を降りたところ。

ここの洗面台にはクレンジングやシャワーキャップ等、置いてありました。

浴室へのドアを開けると、また階段。

それを降りると、ようやく浴室です。

浴槽が2つに分かれているのは熱湯とぬる湯なのでしょうが、どちらも同じくらい熱いです。

洞窟風呂は大浴場と違って、63℃の源泉がジャンジャン給湯されています!!

奥が源泉で、手前が水。

この通りの勢いで水を入れても、とてもじゃないけど熱くて入れません!(>人<;)

熱湯好きのぴーぱーが、熱くて浴槽に入ることができなかったのは初めてかも。

諦めて出てきました、、、、、。

その後ロビーで観察していると「熱くて入れないよーー!!」と怒りながら出てくる男性あり。また、知らずに(?)入って行く女性の後ろ姿を見かけると『熱いから、やめた方がいいですよ』と、心の中で話しかけてみたり(・∀・;)

そういう意味で意外と楽しめた洞窟風呂でした。熱湯好きの方は、ぜひお試しください。

夕食

他の人のブログ等を見ると、皆さん「夕食は部屋食だった」と書かれていたので、全員がそうだと思いこんでいました。

結果、ぴーぱーは部屋食でしたが、大浴場と同じ階の個室(かなり狭い)で食事している方もいて驚きました。改めて公式サイトのプラン内容を確認したら

※ご夕食は、お部屋又は専用個室にてお出しさせていただきます。 

と書かれていますね。どういう風に振り分けられるのかは不明です。

夕食は、お願いしておいた18時半を少しすぎた頃に運ばれてきました。

飲み物メニュー。ルームサービスは夜10時まで頼めるようです。

本日のお品書きです。

公式サイト

地元の食材を多く使った会席料理となります。地元尾花沢の雪降り和牛や川魚、季節の山菜・きのこ等のお味をお楽しみください。

と書いてある通り、山菜やニシンを使った先付けが並びます。

お刺身の種類は忘れましたが、美味しかったです。

煮物は、久々に鯉の甘露煮。プラン内容に書いてある ※鯉料理をお出ししております。苦手な方はご連絡下さい。という注意書きは見逃しましたΣ( ̄。 ̄ノ)ノ

変えられるんだったら、変えてもらいたかった、、、。

メインは尾花沢牛のしゃぶしゃぶ。

後から、お凌ぎの蕎麦と岩魚田楽。

炊き合わせもきましたが、どれも特に温かいわけではありません。

ご飯はつや姫。

椀物は大鍋で鴨汁。これは温かい物が頂けますが、鴨が脂っぽくて硬かったのが残念。

デザートはフルーツとムースでした。

宿泊料金から考えると、内容、ボリューム共にやや物足りない印象の夕食でした。

歴史(建物も含め)の古さ、掛け流しの温泉、山あいの立地という条件が能登屋旅館とほぼ同じだと思う宿に、和歌山県の湯の峰温泉 あづまや を思い出しました。宿泊料金もほぼ一緒だったと思います。

同じ料金だったら、ぴーぱーはあづまやの夕食の方が良かったです。地元の食材を使うのはわかりますが、山菜や野菜がちょっと多すぎる感じ。逆に、山菜好きの方には良いかもしれません。

配膳をしてくれた仲居さんはとても感じの良い方で、最近は外国人客が増えていることや、冬の銀山温泉は雪がすごいことなど色々教えてくれました。

写真は撮り忘れましたが、この後敷いていただいたお布団のカバーがパリッとしていて気持ちよく寝られました。旅館に泊まって、寝具が清潔だと気持ちいいですよね〜♪

夕食後は、銀山温泉では定番の温泉街の撮影タイムです。大勢の人が川沿いで写真を撮っていました。

朝食

朝食は皆さん会場食です。

会場は何ヶ所かあり、ぴーぱーは “喜楽” を指定されました。

朝食は7:30〜9:00の好きな時間でOKです。喜楽は、屋根裏部屋を改修した面白い部屋でした。

お品書きはありませんでしたが、珍しい郷土料理らしきものが色々並んでいます。

朝食も山菜系が多い印象。

お豆腐やポテトサラダの定番メニューもあり。

ここでも旬のアスパラガスが出ました♪

ご飯は大根めし、白米から選べたので最初は大根めしを頂いてみました。

昔は、白米に大根を混ぜて炊いてたそうです。でも、今の大根めしは9割が白米。ほとんど大根の味はしません。お代わりには白米も頂けますよ。

そうそう、銀山温泉はNHKドラマ「おしん」の舞台になった場所だそうです。こんなの売ってました。

朝8:00〜10:00まで玄関横のラウンジでコーヒーサービスがあるとのことで、朝食後に行ってみました。

これは夜のラウンジ。

日中は、お茶や軽食が楽しめるカフェとして営業しているようです。

美味しいコーヒーでした。

泊まった感想

チェックアウト時はロビーに女将さんがいて、お客さん全員に声をかけて送り出していました。ぴーぱーも「コーヒーは召し上がりましたか?」とか「荷物を車まで運びますよ」とか色々気遣っていただきました。

能登屋旅館のスタッフ(特に女性)は、皆さん明るくて感じが良いです。きっと女将さんの影響なんだろう、と思います。

そして、初めて訪れた銀山温泉は平日でもそれなりの人がいたので、休日や連休はかなり混むのでしょう。川沿いに足湯があったりして湯量は豊富なのかもしれませんが、お湯の良さはあまりよくわからなかったのが残念です。

銀山温泉は “お湯を楽しむ” というよりも “温泉街の雰囲気を楽しむ” 場所なのかもしれません。

でも、一度は訪れてみたかった銀山温泉の宿泊先として能登屋旅館を選んだのは良かったと思います。色々書いたように、多少の「?」はありましたが、最終的には気持ち良く宿を出ることができました。これって大事ですよね。

そうそう能登屋旅館に宿泊すると、特典として公衆浴場しろがね湯の入浴券がもらえます。

銀山温泉の宿泊先を考えている方、能登屋旅館はいかがですか?直前の予約なら空室があるかもしれないですよ!?