岡本屋旅館(別府・明礬温泉)

2017年12月訪問

2度目の別府温泉にやってきました。

初めて訪れた時はそれほど下調べもせず、「あの有名な別府温泉に行こう」くらいの気持ちで宿を選びました。でもその後調べてみると、別府温泉には箱根や塩原みたいに泉質の違うお湯がたくさんあるんですね。正確には、別府市内に泉質や歴史の違う温泉が8ヶ所あって、別府八湯と呼ばれているそうです。

前回宿泊した宿のお湯は、無色透明でした。でも有名な地獄めぐりをした時に、地獄の1つに白濁のお湯(海地獄)があったんです。それを覚えていたぴーが「今度はあのお湯に入りたい」と言うので調べてみると、それは明礬温泉だということがわかりました。

明礬温泉は市街地からは少し離れた高台にあり、宿の数はそれほど多くありません。その中でもクチコミ評価が高く、朝食のみプランがあった岡本屋旅館を予約してみました。

今回は、2週間くらい前に予約しました。すると1週間くらい前のある夜、携帯電話に着信があり「岡本屋より予約の確認です。クレジットカードの利用はできませんのでご注意ください」という伝言が入っていました。予約確認の電話をする宿はたまにあるので『はいはい、わかりました』くらいに思っていましたが、その後もお昼時だったり夜だったり何回も着信があるんです。

『何か他に重要なお知らせでもあるのかな?』と不安になり掛け直してみると、なんてことないただの確認の電話でした。

これって、若干迷惑じゃないですか? 1度伝言を入れれば、それで済む話では?

そもそも、インターネットで予約してるのに確認の電話を入れられるだけでもやや不満ですが、それはまあ我慢します。でも、直接会話できるまで何回もかけてくる宿は初めてです。

『ちょっと面倒臭そうな宿だなぁ』というのが、最初の印象になってしまいました。

さて、別府市街地から坂を登って到着。じゃらんのパーキング情報には「お車のキーは駐車場整理のためお預かり致します」と書いてあったので、勝手に大きい旅館と駐車場を想像していました。

ところが、意外にこじんまりした駐車場です。周辺には同規模の駐車場が何ヶ所かありますが、どこも違う旅館の看板が出ているので、停める際は注意が必要です。

車を停めていると、宿の方が出てきて駐車位置を指示してくれました。そして、鍵はやはり預けるように言われました。

車を停めて、道路を挟んだ向かい側の旅館に向かいます。

出入りはここからしましたが、受付はここではありません。

一角にフリードリンクコーナーが設けられていましたが、17:00〜とのことで結局利用しませんでした。

チェックイン、アウトの手続きは、先ほど入ってきた玄関から階段を1つ登った、こちらのカウンターで行います。車の鍵もここに預けました。

お土産コーナーの右側にも出入り口があり、翌日外から見たら、そこが昔の玄関のようでした。さっき入ってきた玄関は、後から作ったのかもしれません。

お土産コーナーには、湯の花がズラッと並んでました。

 

お部屋

階段横のカウンターでチェックイン手続きした後、お部屋に案内してもらいました。

お部屋はこの階段を登って、

通路奥のさつきでした。

今回じゃらんから予約したのは

プラン名:”ミルキーブルーの露天風呂”と郷土料理の「地獄蒸し」「だんご汁」「りゅうきゅう」朝食付き
部屋タイプ:和室6畳
平日泊:1人 / 9,180円(入湯税別)

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久々の6畳部屋は狭いですが、朝食のみのプランは6畳しか選べないので我慢です。

お部屋まで案内してくれたのは男性でしたが、その方がそのままお茶を淹れてくれました。

お茶を頂きながら、翌朝の朝食時間を決めます。

その他、近くの明礬地獄の無料入場券や地獄蒸し玉子の引換券なども頂きました。翌日も使えるそうなので、ぴーぱーはチェックアウト後に行ってみることにしました。

お部屋は狭いですが、広縁があります。

窓から見えるのは、高速道路の大きな橋。

下を覗き込むと、露天風呂もちょっと見えました。

至る所から湯けむりがあがっている様子は、さすが別府です。

洗面台の雰囲気が、湯の峰温泉のあづまやを思い出させます。

冷蔵庫があるのは嬉しいですね♪

ぴーぱーは気にしませんが、テレビはかなり小さいです。

浴衣やタオル類はクローゼットの中。

男女別にセットされた浴衣と、お風呂用のトートバッグが入ってます。

入口の方に戻ると、

入口の横に、ウォッシュレット付きトイレがありました。

施設は古いですが、清潔なお部屋です。Wifiも使えるし、眺望も悪くないです。

ただ、壁が薄いのか隣の部屋の声がよく聞こえます。声の大きい人が隣になるとうるさいかもしれません。

予約確認の電話や、空いてるのに駐車場の鍵を預けたりと細かい宿なのかなぁと思っていましたが、布団は自分達で好きな時間に敷いてもいいですか?と聞いたら了承してくれました。

また、布団敷きの時に一緒に持ってきてくれるはずの水ポットも先に持ってきてくれました。そういうところは、融通が利いて良かったです。

 

大浴場

早速、大浴場に行ってみましょう。

廊下にサイズ違いの浴衣が置いてありました。

浴衣は使い古した感じではなく、パリッとした生地の気持ちのいい浴衣です。

再び1Fに降ります。

階段横のスペースは食堂。チェックアウト時は、このように解放されていました。

階段の下に自販機。

アルコールも売ってます。その他、ルームサービスでもアルコールを注文できるようです。

食堂の奥の「浴場」の看板に従って右に曲がり、

階段を降りると、

男女別の入り口があります。

分析書は浴場に入る前の廊下に掲示されていました。

源泉名は岡本屋旅館。採水場所は貯湯枡。泉温は74.4℃で自噴。PHは2.6。泉質は酸性、含硫黄単純温泉。

色々貼ってありますが、加水加温、循環の有無等の成分に影響を与える項目は見当たりませんでした。ちなみに公式サイトには「掛け流し」と記載されてます。

まずは、女湯からご紹介しましょう。

これは扉の内側、脱衣所側です。

シンプルな脱衣所。

洗面台には化粧品類はなく綿棒、シャワーキャップとドライヤーのみです。

それから、石鹸のテスターが置いてありました。

中に入ると、浴槽は2つ。

5〜6人入れる大きさの浴槽と、

2人くらいが限界のサイズ。

どちらの浴槽も、思っていたより透明のお湯でやや拍子抜け。でも改めて公式サイトのお風呂の写真を確認したら、内湯は透明ですね。

広くはありませんが、窓が多くて明るい浴室です。

石鹸類は、あまり見かけないメーカーのものでした。

露天に出てみましょう。

標識に従って、

階段を降りていくと、

ようやくミルキーブルーのお湯に出会えました・:*+.\(( °ω° ))/.:+

白濁好きにはたまりません!!

しかし邪魔なのは、このザボンです。なぜ素晴らしいお湯にザボンを浮かべるのでしょう?

このザボンを喜ぶ人って、そんなにいるのでしょうか、、、?

続いて、男湯です。

ドアを開けると、それほど広くない脱衣所。

洗面台にはヘアトニックとドライヤー、綿棒が置かれています。

まずは内風呂。シンプルな内装です。

洗い場もシンプル。

シンプルな内風呂の隣には、岩風呂の部屋があります。写真、奥の部屋です。

想像ですが、元々はこの岩風呂だけだった内湯に、隣の浴槽を作り足したのでは!?

岩風呂エリアにも洗い場がありますし。

では、露天に出てみましょう。

男湯の露天風呂はかなり大きいです。部屋から見えたのは、この露天風呂かもしれません。

初めての明礬温泉は、ほんのり硫黄の香りがする良いお湯です。PH値が低いのに刺激が少ないのは、加水量が多いのでしょうか?

内湯と露天のお湯の色があまりにも違うことにも驚きました。”空気に触れると色が変わる” ってヤツですかね?

ちなみに内湯、露天共に24時間入れるわけではありませんのでご注意ください。

 

朝食

朝食は7時半、8時、8時半と選べましたので8時でお願いしました。

フロント向かい側の食事処に向かいます。さすがに7時半〜の人はいないようで、ぴーぱーが1番乗りでした。

色々並んだ食卓。

朝食にもお品書きがついてます。

郷土料理のだんご汁。温かいものが食べられるのは嬉しいですね。

セイロの中は別府名物の地獄蒸しですが、魚が入っててびっくり。ちょっと生臭かったです。

1番美味しかったのは郷土料理の琉球。茶碗蒸しのような蓋つきの入れ物に入ってます。どんな料理かというと魚の「漬け」のようなものですね。ゴマだれに漬けてあってご飯が進む1品でした。

デザートは地獄蒸しプリン。

売店でも売っているので岡本屋の名物なのかと思っていたら、別府温泉全体の名物のようです。

お茶やお水、コーヒーがセルフで頂けるので

食後にコーヒーとヨーグルト、プリンをゆっくり頂きました。

ぴーぱー以外のお客さんは、全員8時半〜の朝食でした。この後何ヶ所か九州のホテルや旅館で朝ごはんを食べましたが、8割〜9割の割合で朝ごはんは8時半の時間帯が混んでました。

関東以北では、大体8時もしくはそれ以前に食べる人が多いように思います。

思いがけないところで、東西の違いを感じました。

泊まった感想

創業明治8年の岡本屋旅館。思ったよりこじんまりしてましたが、落ち着いた雰囲気の「大人の宿」でした。

平日限定ですが、朝食のみプランを設定してくれているのも泊まりやすくて良いですね。2食付きにしたらそれなりの値段になると思いますが、クレジットカード払いはできませんのでご注意を。この件は予約時の注意書きにも書いてありますし、確認の電話でも念押しされます。

肝心の温泉は、ぴーぱー好みの硫黄泉。ぴーは「別府に来るなら、次も明礬温泉がいいな♪」と気に入ってました。

何しろ「別府八湯」ですから、まだ他にも入らなくちゃいけないお湯はたくさんありますが、濁り湯好きには明礬温泉オススメです。

番外編:明礬地獄

チェックアウト後にそのまま車を停めさせてもらい、昨日無料チケットを頂いた明礬地獄に行ってみることにしました。

ちなみにこの明礬地獄は、国の名勝に指定されている「別府地獄」とは違うようです。

まず、岡本屋旅館前の坂道を登って行きます。

2分ほど歩くと明礬温泉の共同浴場、鶴寿泉がありました。ここは市営温泉で無料で入れるそう。

ぴーぱー訪問時は残念ながら「泉温低下のため休館」と貼紙がされていましたが、別府市の市営温泉サイトを見たら平成30年1月5日より再開した様子です。

でも状況により再び休館することもあるそうです。詳しくは、別府市の市営温泉サイトをどうぞ。

さらに登っていくと、このような湯の花の採取小屋が出てきます。

坂を登りきったところに、売店がありました。駐車場もあるので、車で来ても大丈夫です。

駐車場には、地獄蒸しの釜がありました。

無料引換券なるものをもらったけど、どこで玉子と換えられるのでしょう?

恐る恐る店の中に入って聞いてみると、この売店で玉子をくれました。どうやらこの売店は、岡本屋旅館経営のようです。

そして、道路を挟んだ向かい側に明礬地獄があることも教えてくれました。

入口で無料入場券を渡し、中に入ります。一般客は200円です。

小屋の中には、採取した湯の花が並べられていました。

地獄内には、このように遊歩道が続いています。

気をつけないと、突然このように遊歩道の真ん中に穴が開いてたりします。温泉熱のせいかもしれません。

地獄内のハイライトは、この景色。部屋の窓からも見えた大きな橋を見ながら一休み。

そして足湯です。

足湯のお湯は、明礬温泉の割には透明でした。

この地獄めぐり、所用5分といったところでしょうか。入場券をもらったので行ってみましたが、1人200円払ってまで行く価値があるかどうか?は微妙です。

でも、こうして宿泊者に入場券を進呈してくれる気持ちが嬉しいですよね♫ 岡本屋旅館さん、ありがとうございました。